川村真司監督で長編ストップモーション「左」パイロット版制作開始、左甚五郎が主人公

左甚五郎

 クリエイティブディレクター川村真司が監督する長編ストップモーション・アニメーション『左』の制作プロジェクトが発表された。伝説の彫刻職人「左甚五郎」を主人公にした時代劇で、木彫り人形を一コマずつ動かして映像とするものだ。
 川村真司は監督のほか原作・脚本も手がける。またクリエイティブディレクションはWhatever、アニメーション制作は、国内のストップモーション・アニメーションを代表するドワーフ、そして造形・美術制作はTECARATと豪華な制作陣が揃った。映像ファンの期待に応えるものになりそうだ。
 プロジェクトの第一歩として、パイロット版の制作がこのほどスタートした。また7月4日からは「Motion Gallery」にてクラウドファンクラウドファンディングも始める。作品づくりのサポーターを集めることを目指す。

 川村真司はブランドキャンペーンやプロダクトデザイン、テレビ番組、ミュージックビデオなど様々なカルチャーシーンで活躍。その作品は高く評価され、数々の国際的な賞を受賞している。アニメーション分野では2010年にアヌシー国際アニメーション映画祭で、『日々の音色』にて最優秀ミュージックビデオ賞に輝く。
 そうした多彩なキャリアのなかでも、長編映画制作は大きな挑戦になる。共に制作するのが『こまねこ』や『リラックマとカオルさん』などで知られるドワーフ、『ごん』を手掛けたTECARATとの協業となれば、さらに関心を呼ぶだろう。

 映画の題材に、江戸時代に活躍したとされる伝説の彫刻師・左甚五郎を取り上げるのも面白い。日光東照宮の「眠り猫」の代表作で知られるが、甚五郎作とされる作品は全国各地に約100ヶ所、時代も多岐にわたるため、その実在も疑われているほど謎の人物だ。
 本作では、江戸城改築工事の事故で仲間の裏切られた大工の甚五郎が失った右腕に装着したカラクリ義手を武器に復讐の旅を続けるというもの。奇想天外、アクションもたっぷりのエンタメ時代劇いなりそうだ。木彫りの人形のストップモーションという難技に挑むのも見どころになる。

 現状で長編制作を目指す予算と制作体制は不十分と、まずは数分間のパイロット・フィルム制作での作品の魅力を伝えるという。配信事業者や配給/制作会社をみつけ、最終的には長編映画か約10話のシリーズ作品が目標となる。

『左』
http://hidari-movie.com
原作・監督・脚本: 川村 真司
クリエイティブディレクション: Whatever
プロデューサー: 松本紀子
アニメーション・プロダクション: ドワーフ
造形・美術制作: TECARAT
人形デザイン・造形・美術: 八代健志
パイロット版公開予定: 2023年1月

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