国内大手映画会社の東宝による配給作品の興行収入が、2016年で過去最高を記録したことが明らかになった。2017年1月12日の東宝の発表によれば、映画営業部門の2016年1月から12月までの興行成績の累計は854億2670万円。前年比で16.8%増となる。
これは『借りぐらしのアリエッティ』、『THE LAST MESSAGE 海猿』、『踊る大捜査線 THE MOVIE 3』のあった2010年の748億円を大きく超え過去最高となった。800億円の大台超えたのも初だ。
興行収入で200億円を超えた『君の名は。』や、80億円を超えた『シン・ゴジラ』などの大ヒット作が全体を牽引した。また『劇場版 名探偵コナン』や『映画 ドラえもん』といった定番アニメが好調だった。
シーズンごとでは春休みの3月、夏休みの7月、8月がそれぞれ前年比でマイナスとなった。しかし2月、9月、10月が大きく伸びている。例年は閑散期となるシーズンの大幅な底上げが、新記録につながった。
映画業界全体では、2016年で2300億円台の興行収入が見込まれている。東宝単体で全体の1/3を大きく超えるシェアを確保しそうだ。
東宝グループ全体では、中小規模の映画配給を行う東宝映像事業部や、洋画配給の東宝東和、さらにその子会社である東和ピクチャーズの作品の数字もこれに加わる。映画興行における存在感はさらに高まる。
東宝東和はユニバーサル・ピクチャーズの作品を中心に、2016年に興収40億円を超えたアニメーション映画『ペット』や『ジェイソン・ボーン』を配給している。東和ピクチャーズは、パラマウント・ピクチャーズの『スター・トレック BEYOND』、『ジャック・リーチャー』、『ミュータント・ニンジャタートルズ:影<シャドウズ>』などの日本配給を担当した。
東和ピクチャーズは、パラマウント・ピクチャーズの日本での映画配給業務撤退に伴い、2015年に東宝東和の子会社として設立された。2016年からパラマウント作品の配給を行っている。2017年には『ゴースト・イン・ザ・シェル』、『トランスフォーマー/最後の騎士王』、『xXx<トリプルX>:再起』などが控えている。