12月10日に全国公開となった、映画『モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ』が好調なスタートを切った。10日(土)、11日(日)2日間の興行収入は4億2961万円2800円、観客動員数は39万416人と記録的な数字となった。週末2日間の観客動員数は、全映画のなかで1位となる。
一方、興行収入で1位となったのは、公開3週間目を迎えた『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』。興行収入は5億6572万3700円、観客動員数は38万432人である。
観客動員数で『モンスターストライク』を下回った『ファンタスティック・ビースト』が興収で同作を超えたのは、『モンスターストライク』の観客が鑑賞料金が一般より安い学生が中心だったためとみられる。また『ファンタスティック・ビースト』より料金が高い3D版、IMAX版も用意されている。
結果として、10日、11日の週末は、動員数では『モンスターストライク』が1位、『ファンタスティック・ビースト』が2位、興行収入では『ファンタスティック・ビースト』が1位、『モンスターストライク』が2位となった。また、両作品の配給会社が、いずれもワーナー・ブラザース映画であることも注目される。
同じ会社が配給する洋画と邦画が上位2作品を独占するのは、興行収入での成績を発表するようになった2000年以降初めてである。外資系企業でありながら、邦画ビジネスに積極的に関わるワーナー・ブラザース映画ならではの結果だ。
日本の映画ビジネスは世界的では数少ない国内映画が強い国となっている。さらに洋画配給を東宝系の東宝東和、東和ピクチャーズやギャガも手がけるなど、ハリウッドメジャーと言えどもなかなか厳しい市場だ。
そうしたなかでワーナー・ブラザース映画はワーナーの配給を行い、さらに日本映画の配給や製作にも進出する。ハリウッド系では稀有な存在となっている。ワーナーが手がけた邦画には『DEATH NOTE』や『るろうに剣心』などのヒット作がある。マンガ原作やアニメにも積極的で『サマーウォーズ』、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』もある。異例の邦画洋画での1位。2位独占もそうした長年の蓄積のうえに築かれたと言っていいだろう。