大手映画会社の松竹は、1月13日に2017年3月期第3四半期の決算を発表した。第3四半期までの連結売上高は739億2300万円(5.5%増)、営業利益は69億7700万円(20.0%増)、経常利益は61億9200万円(20.6%増)、当期純利益は36億6600万円(12.2%増)と、増収増益の好調だった。
とりわけ利益面での伸びが大きかった。映像関連事業の配給や興行が好調で、2016年の映画業界全体の盛況が松竹の事業にも反映したかたちだ。
映像関連事業は、売上高429億800万円(12.9%増)、営業利益は37億4200万円(61.2%増)。配給で『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』、『HiGH&LOW THE MOVIE』といったヒット作が相次いだ。アニメ映画でも『聲の形』が興行収入20億円を大きく超えるヒット作となっている。
興行もヒット作の動員が堅調で、さらに自社配給作品も売り上げに貢献している。さらに映像ソフトやテレビ放映権販売、海外向け作品販売、CS放送事業も堅調だったとしている。
一方、演劇事業は、売上高は184億5100万円(7.0%減)、営業利益は16億4900万円(18.8%減)と減収減益だった。五代目中村雀右衛門襲名披露公演や「滝沢歌舞伎2016」、市川猿之助主演スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」などに取り組んだ。
不動産事業はいずれも稼働率が高く安定した売り上げとなった。売上高は76億8300万円(1.1%増)、営業利益は33億100万円(11.5%増)になった。
松竹の通期連結業績予想では売上高954億1000万円、また利益面では第3四半期末までで、すでに当初の通期予想を超えている。第4四半期の業績をみながら、今後は上方修正の可能性もありそうだ。