ゴールデンウィーク国内映画興行好調、TOHO シネマズが過去最高、前年の2倍

映画

 2023年のゴールデンウィークの国内映画興行が好調だ。『名探偵コナン黒鉄の魚影』や『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』、『劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~』といった当初からシーズンの目玉とされていた作品がいずれも大ヒット、全国各地の映画館・シネコンは例年になく大勢の映画ファンで賑わった。
 なかでも大手映画興行チェーンのTOHO シネマズは、ゴールデンウィーク期間中(4月29日から5月7日)、9日間の興行収入が過去最高の44億7000万円に達したと発表した。これまで最高の売上げであった2019年を26%上回った。さらに前年比(2022年比)では106%増と2倍以上になる。コロナ禍対応が進み客足が戻ってきたことに加えて、人気作品が多く揃ったことも観客を劇場に惹きつけた。

 期間中の人気が高かったのは、『名探偵コナン黒鉄の魚影』、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』、『TOKYO MER』のほか、『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』など。このうち上位3作品は東宝と東宝東和と、TOHO シネマズと同じグループ会社であったことも追い風だった。
 そうしたなかで大きな記録も生まれている。2023年4月14日公開の『名探偵コナン 黒鉄の魚影』は、5月7日時点で興行収入 100 億円を超えるヒットとなった。「名探偵コナン」シリーズとして過去最高の金額で、念願の大台乗せになる。さらにわずか25日での100億円到達で、ゴールデンウィーク明け後もさらなら記録の積み上げが期待されている。
 ゴールデンウィークに合わせて4月28日に東宝東和配給で公開した『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』も大きなヒットになった。公開10日間で興行収入 65 億円を突破で、こちらも最終的に100 億円突破を見込む。

 2023年前半の好調ぶりで、年間での数字にも気になるところだ。2023年下半期には、東宝配給だけでも宮崎駿監督の最新作『君たちはどう生きるのか』や『キングダム 運命の炎』、『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』といった期待作が並ぶ。ポストコロナの映画業界の盛り上がりが期待される。

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