音楽会社大手のエイベックスが、海外マーケット開拓にさらに力をいれる。2018年の重点マーケットは中華圏、さらに現地のアーティストのビジネスになりそうだ。2月26日、エイベックスは、中国・北京、そして香港に相次いで現地法人を設けたことを明らかにした。
まず1月26日付で、北京に爱贝克思(北京)文化传媒有限公司(Avex China Inc.)を設立、2月8日には香港に愛貝克思香港有限公司(Avex Hong Kong Limited)が続いた。資本金は爱贝克思(北京)が1億円、愛貝克思香港が1000万香港ドルである。日本企業が中国本土に現地拠点を設ける際は現地企業と共同出資することも少なくないが、今回は2社とも100%エイベックスが出資する。
日本企業の海外進出となると、幅広い業務の中からどこにフォーカスするかが、事業の成否を分けることが少なくない。そのなかでエイベックスは今回の2社は日本のアーティストでなく、中国のアーティストのビジネスであることを明らかにしている。
エイベックスによれば、現在中国ではチャイニーズ・ポップ(C-POP)のニーズが高まっている。そこで中国を中心にC-POPを展開し、ヒットを創出を目指す。爱贝克思 (北京)は、アーティストのレーベルとマネジメントを行い、愛貝克思香港はアーティストの契約等をする予定だ。
近年、国内エンタテイメント企業が海外進出をする動きが広がっている。しかし、その多くは、日本で開発した作品を何かしらのかたちで海外展開するものである。
そのなかで、現地のアーティストを現地のマーケットで広げるエイベックスのやりかたは、さらに一歩先をいくものだ。その際の強みは、日本のマーケットで培った音楽ソフトやライブなど組み合わせたアーティスとマネジメントのノウハウだろう。
エイベックスは2016年には、米国にAvex International HoldingとAvex International Inc.も設立している。世界2大マーケットでのビジネスを確実に広げる方針だ。