不動産投資のいちご、アニメ製作会社設立 押井守新作に全額出資

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 東京証券取引所一部市場に上場する いちご株式会社が新たにエンタテインメントビジネスに進出する。2019年5月15日、同社は今年4月4日付でアニメ製作子会社のいちごアニメーション株式会社を設立したと発表した。
 すでに製作作品は決定しており、映画・アニメ監督の押井守氏が原作・脚本・総監督を務める新作アニメーションを手がけるとしている。いちごアニメーションはこの全製作費を出資する。
 今回は作品のタイトルや内容、アニメーション制作スタジオや押井守氏以外のスタッフなどは明かされていない。しかし押井守氏が10年間構想を重ねた意欲作とし、2020年初夏頃に国内での放送、配信を予定する。ある程度制作は進んでいるとみてよさそうだ。

 いちご株式会社は2019年2月期の売上高は835億円、営業利益は262億円と高収益企業である。不動産・ホテルへの投資、太陽発電といったクリーンエネルギー事業を手がける。これまではアニメやエンタテイメントビジネスとは距離がある。
 同社は東京・秋葉原にAKIBA カルチャーズ劇場、グッドスマイル×アニメイトカフェなどポップカルチャーの店舗が集積する地下1階地上6階のビル「AKIBA カルチャーズ ZONE」を保有する。こうした施設と制作中の作品とを連動させ、アニメ文化の発信を目指すとしている。

 新会社のプロジェクトの要となる押井守氏は、1951年生まれ。タツノコプロを経て独立し、アニメ監督・映画監督など務める。
 代表作の『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』や『GHOST IN THE SHELL攻殻機動隊』はアニメ映画の傑作として、日本だけでなく世界中で知られている。
 しかし近年は、『THE NEXT GENERATION -パトレイバー』や『GARM WARS The Last Druid』といった実写映画での活動が多かった。アニメ作品は2008年 の『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』以来、大きな作品がないだけに、今回の企画がどういったものになるのかファンから大きな関心を集めそうだ。

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