2016年夏、日本全国で公開され興行収入50億円を超える大ヒットとなった劇場アニメ『ONE PIECE FILM GOLD』がこの11月に中国に上陸した。11月11日に中国で全国公開となったが、週末興行収入で第3位の好スタートを切った。
11月第2週末の興行収入ランキングは世界的な大ヒットになった『ドクター・ストレンジ』が2週連続でトップを維持した。マーベルコミック原作のヒーロー映画が高い人気を示した。第2位は『ONE PIECE FILM GOLD』と同じ週に上映を開始した『ビリー・リンの永遠の一日』。米国アカデミー賞3度受賞のアン・リー監督の最新作でイラク戦争を背景に、英雄となった若者を描く。
『ONE PIECE FILM GOLD』は、2016年、中国で公開された7本目の日本の劇場アニメとなる。11月11日(金)から13日(日)までの興行収入は6887万元に達した。日本円で約11億円にもなる。大ヒットと言っていいだろう。さらに11月15日までの累計興収は8119万元と約13億円である。
2016年は日本アニメでは、『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』が1億359万元、『BORUTO -NARUTO THE MOVIE-』が1億322万元と1億元の大台を突破している。『ONE PIECE』がこれに続くことが期待される。日本アニメの相次ぐヒットは、中国の映画興業でこれらがハリウッドの大作映画とも対等に戦えることを示したかたちだ。
海外からの劇場映画に厳しい制限を設ける中国では、2015年までアニメ、実写を含めて日本映画が大規模に公開されることはほとんどなかった。しかし、2016年はこれが一変している。現在まで9本が公開され、実写映画が『寄生獣』と『ビリギャル』、残り7本は全てアニメである。
これは2015年公開の『STAND BY ME ドラえもん』が5億3000万元の記録的ヒットになったことで、中国の興行側が日本アニメにポジティブになっているとも見られている。「ドラえもん」、「NARUTO」、「ONE PIECE」の人気ブランド作品のヒットはこの期待に応えたかたちだ。
さらに12月2日には、日本で空前の大ヒットを重ねる『君の名は。』の公開が控えている。日本での人気だけでなく、台湾、香港の中国語圏ですでに記録的なヒットになっているだけに、中国での上映にも大きな期待がかかる。