日本、北米、中国の3地域、2016年映画興行市場いずれも過去最高に

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 映画興行市場が世界的に成長しているようだ。2016年は北米(米国・カナダ)、中国、日本の世界の映画興行のトップ3マーケットが前年比で売上げが増加し、いずれも過去最高となったことが分かった。
 まず北米ではBOX OFFCE MOJOによれば2016年の興行収入の総合計は、113億3100万ドル(約1兆3200億円)になる。これは2015年の111億2800万ドルから1.7%の伸びだ。伸びは低いが年間興収の過去記録を更新した。
 また中国の年間興収は、中国の映画ビジネス情報のエンタ・グループが457億1200万元(約7660億円)と見積もる。前年比3.7%増、こちらも伸び率は低いが歴代最高となっている。

 一方、日本は国内の映画興行統計をまとめる日本映画製作者連盟が、2016年12月までの売上げが2300億円に達すると見通している。これは2015年の2171億1900万円から約6%の増加となる。また過去最高であった2010年の2207億3700万円を超え、6年ぶりに年間記録を越える見込みだ。
 好調な売り上げの理由は、話題作のヒットが相次いだことだ。8月に公開された新海誠監督の劇場アニメ『君の名は。』が12月末までの段階で213億円を超え、2015年12月公開の『スター・ウォーズ フォースの覚醒』が110億円、16年7月公開の『シン・ゴジラ』が80億円をそれぞれ超えている。『君の名は。』は12月からは中国でも上映され、現在までに興収5億6820万元(約95億円)に達した。中国で公開された日本映画としては過去最高の興収で、2016年のアニメーション映画では『カンフー・パンダ3』、『ズートピア』に続く第3位となった。

 その中国市場は史上最高を記録したものの市場の見方は厳しい。2015年の前年比48.7%増に比べて成長が大幅にダウンしているためである。エンタ・グループによれば、9月は前年比33%減、10月に19%減、11月に5%減と減少が続き、とりわけ下半期がきつかった。
 中国では2016年に新たに1612の劇場がオープン、スクリーン数は9552増えた。スクリーン数の総合計は4万1000以上にもなる。人口の多い国ではあるが競争が激しい。こうしたなかで平均チケット価格が前年比で15%下落したことが響いた。
 中国市場は2017年にも世界最大の北米市場を抜くと見られていたが、最近の元安傾向もあり2016年では北米市場の6割程度にとどまった。北米を超えるには、まだしばらく時間がかかりそうだ。なお中国では2016年に772本の中国映画が公開されたがアニメーションはこのうちの49本、6%程度にとどまっている。

 一方、北米市場を牽引したのは、アニメーション映画とアメコミ原作の大作映画である。年間興行のトップは4億8630万ドルのピクサー・アニメーションスタジオによる『ファィンディング・ドリー』、2位には4億810万ドルの『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』が続いた。
 トップ10のうち、『ファィンディング・ドリー』、『ペット』(4位)、『ズートピア』(7位)とアニメーションが3本、そしてアメコミ原作は『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』、『デッドプール』(6位)、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(8位)、『スーサイド・スクワッド』(9位)、『ドクター・ストレンジ』(10位)と5作品になる。日本ではアニメ映画とマンガ実写化作品が興行を席巻するが、北米の状況もこれによく似ている。

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