ぴあ総研と一般社団法人日本2.5元ミュージカル協会は、2023年の「2.5次元ミュージカル市場動向」の調査結果をこのほど発表した。調査では国内のマンガ・アニメ・ゲームなどを原作とした舞台公演を「2.5次元ミュージカル」と呼び、毎年、市場規模や観客動向をまとめている。今回は2022年にコロナ禍から回復した市場のその後の動向が注目されていたが、引き続き力強い成長を遂げていることが分かった。
発表によれば、2023年に上演された舞台は236本だった。2022年の197本を大きく上回った。これは過去最高であった2019年の222本も超える史上最高だった。作品数の増加は、歓喜客動員数と市場規模の拡大にもつながっている。2023年の動員数の289万人は前年比で5%増、またチケット代を集計する市場規模も283億円と7.9%増加、いずれも過去最高である。
「2.5次元ミュージカル」の公演は2010年頃は毎年40タイトル前後であったが、2014年に100タイトルを突破、2019年に200タイトルを突破と急成長を続けている。また市場規模が100億円を超えたのも2015年、わずか10年足らずで3倍近くになっている。
2023年は大規模公演が増加したことが、市場拡大につながった。人気マンガで映像化もされている『キングダム』や帝国劇場で上演された『SPY×FAMILY』が話題を呼んだ。ミュージカル化8周年となり野外公演を実施した「刀剣乱舞ONLINE」シリーズも牽引した。
2023年は国際化の目立った年でもあった。日本2.5元ミュージカル協会では、訪日外国人に高まる需要に応えて、海外向けにチケット販売に力を入れている。英語チケット販売サイトを運営する。日本2.5元ミュージカル協会会員が主催する公演の英語での情報提供し、各国からクレジットカードでチケットが購入で可能とする。
また2013年は、海外公演も大きな注目を集めた年だった。舞台『千と千尋の神隠し』やミュージカル『四月は君の嘘』が英国・ロンドンで、『「進撃の巨人」-the Musical-』が韓国と米国で上映されるなど、日本初の舞台の海外展開にもつながっている。