エンタテインメント分野の調査・研究のぴあ総研は、2020年6月30日に2019年の国内ライブ・エンタテインメント市場規模の速報値を発表した。ぴあ総研がライブ・エンタテインメント調査委員会からの委託を受け、毎年実施しているものだ。
調査によれば2019年のライブ・エンタテインメント市場は、前年比で7.4%増の6259億円に達した。3年連続の過去最高の更新で、市場規模6000億円超えは調査を開始以来初である。近年の体験型消費の盛り上がりを感じさせる。
調査では市場を音楽ライブ・コンサートからなる音楽市場と、演劇などのパフォーマンスからなるステージ市場に分けている。音楽市場が全体の2/3の4240億円、ステージ市場が2058億円となっている。
2019年は音楽市場の伸びが大きく、前年比で9.4%増。収容人数4万人以上の大規模会場での公演が牽引をした。活動休止を発表した嵐が全50公演で約237万人、さらに三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE、AAA、サザンオールスターズ、乃木坂46が好調だった。
ステージ市場は3.6%増で2058億円。クールジャパンパーク大阪WWホール(1138席)、渋谷公会堂(1956席)、豊島区民芸術文化劇場(1300席)、京都南座(1086席)の新規開場、リニューアル開場などが成長に貢献した。
2019年は市場最高と好調であったが、2020年はかなり厳しい数字が予測されている。2020年は2月より新型コロナウイルス感染症拡大によるイベント自粛により、開催中止・延期されるケースが相次いでいるためだ。
6月以降も非常事態宣言解除後も、会場の収容人数などの制限が設けられており、イベントが実施されても前年のような十分な売上げを達成できていない。ぴあ総研では、市場の回復は緩慢なものとなると予想している。
これらの結果2020年のライブ・エンタテインメント市場規模は、発表時点で1836億円と試算している。2019年比で70%減以上との厳しい予想である。
2019年の市場調査の詳細は、秋に発行を予定する「2020 ライブ・エンタテインメント白書」で明らかにする予定だ。