KADOKAWA ニュータイプ、海外に情報発信 北米版冊子やポッドキャスト

「月刊ニュータイプ」

 KADOKAWAが刊行する人気アニメ雑誌「月刊ニュータイプ」が、海外に向けた情報発信に乗り出している。米国のアニメ会社クランチロールと協力して英語版「ニュータイプ」を制作し、2024年10月17日から20日まで開催されたニューヨーク・コミコン2024で無料配布した。日本のアニメ雑誌の楽しさを海の向こうに届ける。
 今回の英語版「ニュータイプ」は全16ページのフルカラー、国内で好評を博した日本の記事をベースに米国向けに編集されている。「ニュータイプ」ならではのスタッフインタビューなどのがっつりと取材した記事が特徴だ。さらに表紙は『劇場版「オーバーロード」聖王国編』の主人公がりんごを手にしたもので、「ビッグアップル」と呼ばれるニューヨークにちなんだニューヨーク・コミコン特別仕様となった。今秋、クランチロールが北米配給を予定する映画を盛り上げる。裏表紙はテレビアニメ『薬屋のひとりごと』で、こちらも描き下ろしと贅沢な企画だ。
 ニューヨーク・コミコンは、米国ニューヨーク市マンハッタンで開催されるポップカルチャーの大型イベントだ。サンディエゴ・コミコンと並んでよく知られており、アメコミからマンガ、SF映画・ドラマまで幅広くカバーする。近年は日本アニメの進出も顕著だ。新作発表やファンイベントの開催も多く、日本アニメのプロモーションの重要な場所として活用されている。

 「月刊ニュータイプ」は1985年に創刊したKADOKAWAの老舗アニメ雑誌。国内を代表する大手アニメ誌として長年ファンに愛されてきた。描き下ろしのグラビアやポスター、またインタビューやスタッフ取材などアニメファンに向けた深い記事が特徴となっている。
 1990年代から2010年代初頭には韓国語版、2000年代には米国版が刊行されていたが、現在はいずれも休刊となっている。米国での展開は、それ以来のものとなる。

 近年、日本のアニメが海外で大きな盛り上がりを見せている。各国では独自のアニメメディアが人気を博しているが、いっぽうで制作現場と物理的な距離があることや言葉のハードルがあり直接取材は必ずしも十分ではない。
 ニュータイプ編集部が、「ニュータイプ」の記事を新ためて海外に届けることに挑戦する理由だ。現地メディアとはまた違った視点からアニメの魅力や楽しさを送る。今回のクランチロールとの取り組みはその一環になる。
 ニュータイプの試みは、紙媒体だけにとどまらない。海外ファンが多く利用するネットも重要なメディアだ。そのひとつが海外では利用が多いポドキャストだ。大手ラジオ局のニッポン放送と提携し、ニュータイプによるアニメニュースを海外に届ける試みもスタートした。AI技術を駆使して、人気パーソナリティ吉田尚記さんの日本語音声を翻訳して、英語版と中国語版などで音声ニュースを提供している。最新テクノロジーを利用した試みが注目だ。

「吉田尚記のジャパンアニメニュース powered by ニュータイプ」
https://podcast.1242.com/janime/

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