米国で日本アニメ配給を手がける大手ファニメーション(Funimation)の経営体制が新たな局面を迎えている。ファニメーションの親会社で、ソニー・ピクチャーズのテレビ部門子会社ソニー・ピクチャーズ・テレビジョン(SPT)は、ファニメーションの新しいゼネラルマネジャーにコリン・デッカー (Colin Decker)氏が就任したことを明らかにした。
デッカー氏は日本アニメ専門配信のグローバルプラットフォームのクランチロールやディスカバリー、バージンでキャリアを築いてきた。エンタテイメント企業での経験は20年を超える。
ファニメーションは創業から20年を超える日本アニメ配給の老舗企業で、『ドラゴンボール』、『進撃の巨人』、『鋼の錬金術』、『僕のヒーローアカデミア』などのヒット作を次々に送り出してきた。創業者のゲン・フクナガ氏が社長とCEOを務める。
しかし2017年に会社をSPTに売却し、現在はソニー・ピクチャーズのグループ会社となっている、同社の北米での日本アニメ戦略の一翼を担う。
そうしたなかでフクナガ氏は今年2月に、会社の経営から段階的に引退することを明らかにしたばかりだ。今回の人事もこうした流れに沿ったものとなる。デッカー氏はSPTの会長であるマイク・ホプキンス氏と共にフクナガ氏を支えることになる。
SPTは、デッカー氏のメディアでの経験が、ファニメーションの映像配信サービス「FunimationNow」のさらなる発展に貢献するだろうとしている。SPTは2017年の買収以来、ファニメーションのビジネスは躍進しているとする。なかでも「FunimationNow」の契約者数は1年半足らずで、倍増したという。今後も配信事業がファニメーションの成長の鍵になりそうだ。
SPTとファニメーションは今後も、アニメビジネスを推進していく。それにあたっては、アニメ放送チャンネルのアニマックス、ソニーミュージックのグループ会社でアニメを専門とするアニプレックスとも協力するとしている。