国内映画会社最大手の東宝は、12月15日に2016年11月の映画営業部門の成績を明らかにした。東宝が配給する作品の劇場興行収入をまとめたものである。11月は11月5日に公開した『ボクの妻と結婚してください。』のほか、『君の名は。』や『シン・ゴジラ』なども含めて9本を配給した。同月の興行収入は、34億9229万4160円、前年比4.0%増となった。
また1月から11月までの累計興行収入は、782億4628万7390円に達した。こちらは前年比で17.7%増と二桁を大きく超える伸びとなった。
この結果、東宝配給の年間興行収入が、過去最高になった。これまでの最高記録は2010年で1月から12月までで748億6961万3000円で、2016年は11月の段階で約33億円上回る。
12月には『海賊とよばれた男』、『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』などの大型作品をはじめ、『L-エル-』、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』など新作も多く、記録をさらに伸ばすのは確実となる。
歴代2位となる2010年は『 借りぐらしのアリエッティ』、『THE LAST MESSAGE 海猿』、『踊る大捜査線 THE MOVIE3』が主要作品、歴代3位の2012年(741億3577万3000円)は『 BRAVE HEARTS海猿』、『テルマエ・ロ』、『踊る大捜査線 THE FINAL』『おかみこどもの雨と雪』など。いずれも大作邦画、長編アニメが主力となってきた。
2016年も邦画実写、アニメのヒット作が牽引している。興行収入205億円突破の『君の名は。』、80億円突破の『シン・ゴジラ』がトップ2作品とみられる。
一方、月ごとでは『シン・ゴジラ』の公開があった7月は前年比54.1%減、『君の名は。』の公開があった8月は6.1%減と意外な結果となっている。これは両作品がロングランで人気を博していることを象徴していそうだ。9月は前年比222.8%増、10月は86.1%増となっている。
また2月は16.2%増、4月は12.7%増、『シン・ゴジラ』、『君の名は。』以外も多彩な作品が興行を支えたことが分かる。また東宝の好調は、2016年の日本の映画興行全体の好調も反映していそうだ。