CGスタジオ神風動画のオリジナルプロジェクト『COCOLORS』が、いよいよ海外に進出する。本作が7月13日から8月2日まで、カナダのモントリオールで開催されるファンタジア国際映画祭で上映されることになった。
1996年にスタートした映画祭は今年で20回目。当初はアジアのSFやファンタジー、アニメーションを中心に上映してきたが、現在はジャンル映画の巨大映画祭として注目されている。『COCOLORS』が国外で上映されるのは今回が初めてで、インターナショナルプレミアの位置づけになる。
神風動画は、2003年に水崎淳平氏が立ち上げたCGスタジオである。設立当初からセルスタイルを駆使した先鋭的なCG映像で注目を集めてきた。テレビアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』オープニングやゲーム『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』のMVパートなどの制作と言えば、スタジオの名前はたとえ知らなくても分かる人は多いだろう。
ハイクオリティやエッジの効いた表現にこだわってきたがゆえに、長い間、テレビアニメ本編や長編映画は避けてきた。
しかし、それを打ち破り、45分もの長さで制作したのが『COCOLORS』だ。同時に本作は神風動画自身の出資、そしてオリジナルタイトルとなった。それだけに長さは変わっても、神風動画らしい魅力にあふれている。
映像はこれまでもスタジオが多用してきた2Dセルタッチ、それは日本の木版画や浮世絵に近い手法を採用している。舞台は人体を融解させるバクテリアを含んだ有害な灰が、空と地上を覆っている世界。そこで生きる2 人の少年アキとフユらキャラクター達の心の“色”をテーマに物語を描く。
本作は、2016年秋に徳嶋マチアソビで上映された後、2017年2月に東京・新宿バルト9にて2日間限定でライブ音声で特別上映され大きな話題を呼んだ。モントリオールでの上映がどういったかたちになるのかも興味深い。
日本でも上映機会の少なかった本作が、海外でどのような評価を受けるのか。今後のさらなる展開も気になる『COCOLORS』の、最新情報が関心を集めそうだ。
『COCOLORS』
http://gasolinemask.com/nishiki/cocolors.html