ソニーグループが11月1日に発表した2023年3月期第2四半期決算は、売上高利益とも過去最高を記録した。連結売上高は5兆633億7300万円(9.4%)増で、営業利益は6510億500万円(8.8%増)、四半期純利益は4821億5900万円だった。
売上高は金融分野を除くゲーム&ネットワークサービス、音楽、映画、エンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)、イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)の各分野が大幅増収になった。事業の好調に加え円安に大きく振れた為替で利益が生じている。金融部門はソニー生命の不正送金事件の影響が大きかった。
営業利益は音楽とイメージング&センシング・ソリューションの伸びが大きかった。ゲーム&ネットワークサービスと映画は減少した。
ゲームのマイナスはゲームソフトウェア開発費が増加していること、ゲームソフト会社Bungie, Inc.の買収費⽤を計上したことによる。経費におけるドル建て比率の高さもマイナスに影響した。
映画では動画配信サービスへのライセンスで大きな新作がなかったことに加えて、広告宣伝費が増加した。
決算からはアニメ関連事業の業績も分かる。まず音楽部門のなかに含まれるアニメ関連事業だ。これは同部門のビジュアル・メディア&プラットフォームに相当する。この売上高が1022億800万円で、前年同期比で13%程度マイナスであった。利益面で第2四半期単独で音楽部門の15%前後としている。
しかし2022年2⽉にアニプレックスが買収したアプリゲーム事業のラセングルとの連携で、開発体制やサービスの強化が順調だとしている。主力タイトルの『Fate/Grand Order』の上半期の売上⾼は、前年同期を超えたとしている。通期でも事業売上高の増加を見込む。
映画部門では2021年8月に買収したアニメ配信プラットフォーム事業のクランチロールを増収要因として挙げている。
また買収後のクランチロールの事業進捗状況が報告されている。ソニーグループでは以前よりグループ傘下にあったファニメーションとクランチロールのサービスを統合しているが、これが順調に進んでいるとしている。両社サービスを合算した有料会員数は1000万人に近くに迫っている。アニメ専門の配信有料プラットフォームサービスでは世界最大規模とみて間違いないだろう。
現在は配信だけでなく、日本アニメの海外での劇場配給にも⼒を入れる。また8月にアニメのDVDやキャラクターグッズ販売のライトスタッフを買収。今後は商品販売も強化する方向だ。