會川昇×虚淵玄トークも “時代劇”オールナイト、新潟国際アニメーション映画祭

。「フィクションとしての“時代劇”の意味」

 2024年3月15日から20日まで、第2回新潟国際アニメーション映画祭が新潟市内の各地域で開催される。昨年の第1回では豪華な作品ラインナップとゲストで注目をされたが、2024年も「長編コンペティション部門」、「世界の潮流部門」、「レトロスペクティブ部門」、「オールナイト部門」の主要4部門を中心に話題性たっぷりのプログラムになりそうだ。
 1月31日に、3月19日夜にシネ・ウインドを会場にするオールナイト部門のプログラムが発表された。1950年代から2000年代の時代劇アニメを並べた「時代劇アニメ」特集である。「フィクションとしての“時代劇”の意味」と題して、いろいろな時代からアングルの異なる4本の作品を上映する。昨年の「新海誠アーリーワークス」とは、また異なる特集になる。

 歴史を題材とする「時代劇」は、過去の事実とフィクションが混じり合うことで物語としての面白さを発揮する。一方で、かつて実在した舞台を物語にすることから、時代考証など映像化のハードルは高い。
 そのなかでアニメーションは、奔放な表現と映像を絵で描くことにより特別な力を発揮してきた。SFやファンタジー全盛のいまだからこそ、アニメーションが描く“時代劇”の魅力は失われることがなく、魅力が問われるべきものだろう。

 上映作品は『少年猿飛佐助』、『劇場版 戦国奇譚妖刀伝』、『機巧奇傳ヒヲウ戦記(21話)』、『ストレンヂア -無皇刃譚-』。
 『少年猿飛佐助』は、1959年に東映動画(現東映アニメーション)が制作した長編劇場作品。テレビアニメの放送が始まる以前の日本のアニメの息吹が伝わる。
 『劇場版 戦国奇譚妖刀伝』は、1980年代から90年代のOVAを代表する作品を劇場映画として再編集したもの。こちらからはOVA全盛期のパワーが感じられるはずだ。
 『機巧奇傳ヒヲウ戦記』と『ストレンヂア -無皇刃譚-』は、日本を代表するアニメスタジオBONESが制作だ。『機巧奇傳ヒヲウ戦記』は2000年にBONESが初のテレビシリーズ元請け作品とし、原作も担当した。『ストレンヂア -無皇刃譚-』は2007年のオリジナル原作の劇場映画、気合のはいった作画も見どころだ。

 オールナイトの上映に合せて、トークイベントも用意される。脚本家の會川昇氏と虚淵玄氏が時代劇アニメの魅力を90分にわたり語る。
 會川昇氏は『鋼の錬金術師』『UN-GO』といった代表作で知られるが、今回上映される『機巧奇傳ヒヲウ戦記』も手がけるなど、時代劇にも知見が深い。虚淵玄氏も『魔法少女まどかマギカ』の原作・脚本や『PSYCHO- PASS』の原案・脚本で知られる大物脚本家だが、昨年は時代劇アニメ『REVENGER』のストーリー原案・シリーズ構成・脚本を担当した。ふたりからどんな話が飛び出すのか、お楽しみだ。

第2回新潟国際アニメーション映画祭 プログラム
https://niigata-iaff.net/programs/

【上映作品】
『少年猿飛佐助』 (1959)
『劇場版 戦国奇譚妖刀伝』 (1989)
『機巧奇傳ヒヲウ戦記(21話)』 (2000)
『ストレンヂア -無皇刃譚-』 (2007)

【関連トーク】
「時代劇アニメの魅力、ファンタジー全盛期のいま作られるべきものとは?」(仮)

3月19日(火)
 會川昇(「鋼の錬金術師」脚本 「un-go」脚本)
 虚淵玄(「魔法少女まどかマギカ」原作・脚本「PSYCHO- PASS」原案・脚本)

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