阪急阪神がオーエスをTOBで子会社化 映画事業は東宝に譲渡

ファイナンス決算

 阪急阪神ホールディングスは、映画興行・不動産事業で東京証券取引市場スタンダード市場上場のオーエスに対して2023年12月7日から公開買付け(TOB)を実施している。公開買付価額は1株あたり5000円、12月6日の終値3420円に46.2%のプレミアを乗せた。
 2024年1月24日の期間終了までに、全体の44.5%にあたる141万7000株を下限に買い付ける。買い付け総額は123億円を見込む。公開買付け終了後、阪急阪神ホールディングスはオーエスの上場を廃止して、完全子会社化を目指す。

 オーエスは関西を中心に不動産事業と映画館の運営をしている。2024年1月期は連結売上高で72億8500万円を予想、営業利益は3億1000万円、当期純利益は1億6000万円を見込む。安定した業績を維持しているが、不動産・映画興行とも小規模で成長期待は高くない。阪急阪神ホールディングスに完全子会社になることで、新たな成長を目指すことになる。
 阪急阪神ホールディングスは、現在22.16%を保有する大株主の第2位。第1位は34.7%を保有する映画会社の東宝だが、今回のTOBに応じる予定。
 そのうえで阪急阪神ホールディングスはオーエスの子会社化後、映画事業を東宝に譲渡する意向である。オーエスの映画事業は、東宝に加わることになる。オーエスは神戸市の映画館神戸でOSシネマズミント神戸(8スクリーン)とOSシネマズ神戸ハーバーランド(10スクリーン)の2館計18スクリーンを運営、また12スクリーンのTOHOシネマズ西宮OSを共同運営している。 

 東宝は12月5日に、映画興行・不動産事業の東京楽天地のTOBを発表したばかり。同社の大株主である阪急阪神ホールディングスも含めて、グループの映画興行・不動産事業の再編をいっきに進める構えだ。

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