2Dアニメのデジタル化が、急激に進化している。技術の新たな進展は、制作ソフトやツールの革新に負うところが大きい。
そうしたなかでセルシスの制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT EX」とオープンソースの2Dアニメーション制作ソフト「OpenToonz」が連携を開始した。2月28日に公開された「CLIP STUDIO PAINT EX」の最新バージョンが「OpenToonz」につながり、より便利になった。「CLIP STUDIO PAINT EX」で制作した原画・動画を書き出すと、「OpenToonz」で彩色や仕上げを行うことができる。
「CLIP STUDIO PAINT」は、マンガ制作のComic Studioとイラスト制作のIllust Studioを統合するかたちで2012年にリリースされた。その後、上位版として「CLIP STUDIO PAINT EX」を発売。現在は、アニメーション制作機能も多く搭載している。
東映アニメーションや旭プロなど、国内の大手スタジオでも商用利用されている。比較的手頃な価格も人気の理由だ。
「OpenToonz」は、仕上げや色指定、撮影などの工程で活用されている。Digital Videoの「Toonz」をベースに、スタジオジブリが自社スタジオのためにカスタマイズしたソフトがもとになって開発された。
現在はこれを引き継いだドワンゴがオープンソースのソフトウェアとして公開。商用・非商用を問わずに、誰でも無料で利用できるのが話題だ。さらにライセンスに基づけば、ソースコードの改変も自由と使い勝手もよい。
さらにドワンゴは、「OpenToonz」に合わせた画像処理用のプラグインエフェクトSDKも開発している。このSDKを使うことで、「OpenToonz」にケレン味のエフェクを加えることが出来る。プロの現場はもちろんだが、手軽でスムーズな制作ソフトはアニメーション制作の可能性も広げそうだ。
「OpenToonz」
https://opentoonz.github.io/
「CLIP STUDIO PAINT」
http://www.clipstudio.net/