テレビ東京ホールディングス 「アニメ・配信」で営業利益の2/3以上

ファイナンス決算

 2024年5月15日、テレビ東京ホールディングス(テレビ東京HD)は、2024年3月期の通期決算を発表した。連結売上高は1485億8700万円(前年比1.6%減)、営業利益は88億3600万円(4.3%減)と微減になったが、経常利益は95億9900万円(2.4%増)、当期純利益は67億3600万円(0.2%増)と過去最高だった。
 業績好調は、「アニメ」と「配信」の事業成長が続いているためだ。期間中は放送事業の放送収入が減少したが、配信・アニメ事業が下支えした。営業利益では全体の88億3600万円のうち、約67%にあたる59億6200万円がアニメ・配信事業からになる。

 アニメ・配信事業の年間売上は445億3400万円(1.0増)である。このなかには、テレビ東京のライツ事業のほか、テレビ東京コミュニケーションズの音楽関連事業、エー・ティー・エックスのアニメのCS放送、さらに海外向け番組販売、ゲーム化権、課金型・広告付き動画配信プラットフォーム向け双方のコンテンツ供給収入などが含まれる。
 テレビ東京のアニメ事業だけに限定すると、やや減収だった。前年に中国配信プラットフォームとの大型案件があった反動としている。
アニメ部門の売上の中心は『SPY×FAMILY』のテレビシリーズの配信、『ポケットモンスター』の商品化が、いずも国内・海外で好調だった。またヨーロッパでは『NARUTO』の配信が順調に推移、『ブラッククローバー』のゲーム化権と配信も世界で好調となった。
 ただしタイトル別の売上げでは変動は少なく、ロングラン作品が並ぶ。
  1. NARUTO
  2. BORUTO
  3. 遊戯王
  4. ポケットモンスター
  5. BLEACH
の順番だ。
 売上海外比率は依然高く、日本は全体の17%、残り83%が海外からの収入になる。北米が一番大きく全体の29%で中国を上回る。中国は27%、ヨーロッパが12%、中国以外のアジア・中東も14%ある。

 テレビ東京ミュージックは『SPY×FAMILY』や『新世紀エヴァンゲリオン』などのアニメ関連楽曲が国内で好調。海外は『NARUTO-ナルト-疾風伝BGM』や『ブラッククローバーBGM』などだ。
 AT-Xを運営するエー・ティー・エックスでは、加入者数の減少が続いている。そのため売上高は3.8%減の33億2200万円、だが『東京リベンジャーズ』と『Re:ゼロから始める異世界生活』のライツ収入が好調だった。

アニメ以外の配信の伸びも好調である。配信ビジネス全体の収入は115億1800万円で、10.5%増だ。
 上位タイトルは
  1. ドラマ25 季節のない街
  2. ドラマ8 ハイエナ
  3. ドラマNEXT みなと商事コインランドリー2
  4. ドラマ8 ジャンヌの裁き
  5. ドラマ25 きのう何食べた?Season2
 ドラマを中心に国内配信権販売が好調で、海外でもアジアを中心にバラエティ番組の販売収入が伸びているとする。映画は『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』や『劇場版きのう何食べた?』などだ。

 テレビ東京HDは今後もアニメに積極的に取り組んでいく。新たに発表された「2024年中期経営計画」では、「アニメ」、「経済報道」、「独自IP(知的財産)」の3つを打ち立てる。
 その筆頭に、“アニメ強化と独自IPの開発で、「グローバルIP企業」に進化”を打ち立てている。アニメビジネス機能を強化、北米・アジア・中東の重点開拓、有力作品の権利獲得、制作・放送・配信、商品化・ゲーム化、IP事業を国際的に展開とグローバルIP企業への進化を推し進める。

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