国内玩具市場成長加速、過去最高9525億円 トレカ市場は30%超増加

国内玩具市場

 国内の玩具市場がコロナ禍を乗り越えて、大きく成長している。2023年6月6日に一般社団法人 日本玩具協会の発表した「2022年度玩具市場規模」によれば、同年度の国内玩具市場は前年度比で6.7%増の9525億円となった。
この金額は日本玩具協会が市場調査を初めて以来、過去最高の水準となる。また初めて9000億円の大台を突破した。国内の玩具市場は2000年代初頭より7000億円台から8000億円の狭いレンジを上下する安定市場であった。それが2021年度に8 %の伸びで過去最高を記録、2022年度はさらにそこから上振れた。新たな成長軌道に乗ったかたちだ。
 また全体の市場統計に含まれていないカプセル玩具も伸びも大きく、前年度比35.6%増の610億円。この金額を加えると、玩具市場は1兆円を超える。

 玩具協会は市場の成長について、大人市場の拡大をあげる。ロングセラーブランドが2世代、3世代にわたり愛されることで売上が伸びているというわけだ。
 なかでも全体を牽引したのは「カードゲーム・トレーディングカードゲーム」であった。市場規模は32.2%増で2348億9100億円となった。572億円の市場が新たに生まれた計算だ。レアカードの高額取引などが話題になった『ポケモンカードゲーム』などが人気化した。カートゲームのコレクターズ市場の拡大も大きな要因と見られる。新規参入の「ONE PIECEカードゲーム」も好調だった。
 分野別では「カードゲーム・トレーディングカードゲーム」が最大で、「知育・教育」の1774億5800億円(3.5%増)、「ホビー」1668億円(8.8%増)などが続く。ホビーでは『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のガンプラが人気だったプラモデルや『ONE PIECE』『初音ミク』『アズールレーン』などのキャラクターフィギュアも目立った。

 日本玩具協会は、国内玩具業界は非常に好調と位置付ける。2023年度も夏休み商戦、クリスマス商戦に勢いをつなぎたいとしている。また今年度も業績拡大を期待する。

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