Colored Pencil Animation Japan、中国の人気小説をアニメ化

唖舎

 中国から日本進出し、2D手描きアニメーションを制作するColored Pencil Animation Japanによる中国向けの作品の製作が発表された。中国のベストセラー作家・玄色による小説『唖舎』のアニメ化だ。
 アニメーション制作はColored Pencil Animation Japanの親会社であるColored Pencil Animation Groupの重慶彩色鉛筆動漫設計有限責任公司と共に担当する。作品は2023年末、中国本土にて公開予定。すでにPVも公開している。日本公開については言及されていない。

 『唖舎』は玄色のファンタジー小説で、中国では150万部を超えるベストセラーになっている。タイトルの「唖舎」は主人公の経営する骨董屋の名前で、彼は骨董品と会話ができる特殊能力を持っている。現世に未練を持つ骨董品の話を聞くことで、主人公は骨董品と人間の縁を結んだり、宿願を叶えたり、その骨董が破滅へと向かったりすることもある。
 さらに主人公と関係のある医師との千年にわたる縁が明かされていく。ファンタジックで暖かいストーリーが展開する。

 Colored Pencil Animation Japanは、2018年に東京都町田市のスタジオを持つかたちで設立された。2010年代初めより中国で日本アニメが積極的に配信されるようになるなかで、中国企業が日本のアニメ製作に出資したり、あるいは日本のスタジオに自国向け作品の制作発注をするといったケースが増えている。日中のアニメビジネスは新しい局面を迎えている。そうしたなかでColored Pencilは、中国企業が日本に独自にスタジオを設ける珍しい例となっている。
 Colored Pencilは、中国に向けた日本アニメスタイルの独自作品を製作する。中国では配信番組の表現規制が強まっており、日本やグローバルに向けた日本アニメの許諾が下りないケースが増えている。そうしたなかでColored Pencilが、独自の立ち位置の優位性をどういかすのか注目されている。『唖舎』のアニメ化、そんな例のひとつになりそうだ。

Colored Pencil Animation Group YouTube公式チャンネル

Colored Pencil Animation Japan
http://www.cpaj.co.jp/

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