マンガやアニメ・ゲームを原作とするミュージカル・舞台の制作大手ネルケプランニングが、IT大手のサイバーエージェントのグループに加わることになった。2023年6月5日、サイバーエージェントが明らかにした。
サイバーエージェントはネルケプランニングの発行済株式を取得、同社をグループ化する。株式取得価格や保有割合は公表されていない。グループ化後もネルケプランニングの体制は変更せず、代表取締役の野上祥子氏が引き続き社長を務める。
ネルケプラニングは1994年設立、2003年に初演したミュージカル『テニスの王子様』の大ヒットで大きく成長した。アニメ・ゲームを原作としたミュージカル・演劇の先駆者のひとつで、この分野を積極的に開拓してきた。ミュージカル『刀剣乱舞』、『「進撃の巨人」-the Musical-』、演劇『ハイキュー‼』、ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』など多数のヒット作がある。
従業員は約150名。2015年に中国現地法人を設立し、またアジア各国での公演も手掛ける。舞台・ステーズの海外展開にも積極的である。グループ化後は国際展開も活発化しそうだ。
両社はサイバーエージェントが得意とするエンターテインメントとテクノロジーの融合を活用し、演劇でのリアルとデジタルの新たなエンターテインメントの創出を目指すという。ネルケプランニングはこれまでにもサイバーエージンエントと「ABEMA」にて俳優育成オーディションバトル「主役の椅子はオレの椅子」を配信し、オリジナル舞台『「青空ハイライト」~from主役の椅子はオレの椅子』を共同制作している。
2.5次元舞台の市場は過去10年間で急成長し、現在200億円以上の規模がある。コロナ禍を乗り越え今後の成長も期待される。サイバーエージェントは近年盛り上がるライブエンタテイメントの成長性とデジタルの融合に目をつけたかたちだ。
サイバーエージェントは、インターネット広告や動画配信のAbemaTV、ゲーム、投資事業などを手掛ける大手企業。近年はアニメ分野へも積極的に進出し、企画・製作もする。自社作品の舞台化でも両社の協力が期待できそうだ。