国内玩具市場2021年が過去最高、前年比8.5%増8946億円 TCG牽引

ファイナンス決算

 国内玩具市場は主要なユーザーである子ども人口の減少が続くなか、市場規模の縮小が懸念されてきた。そうした予想とは逆に、近年の国内玩具市場は好調を維持している。
 日本玩具協会は2022年6月14日「東京おもちゃショー2022」の開催に合わせて、2021年度の国内玩具市場規模を発表した。これが日本玩具協会が2001年に統計を取り始めて以来、過去最高の金額に達した。

 市場規模の推計は玩具メーカーの希望小売価格ベースで売上げを集計したもの。消費者段階での数字と言える。2021年度は8946億円と前年度比で8.5%増加になった。玩具協会は少子化トレンドの中でも玩具に対するニーズは極めて高いとし、今後さらに成長していく可能性があると強きの見通しだ。

 主要10分野のなかでも特に伸びが大きかったのが、「カードゲーム・トレーディングカード」である。21年度の1782億4900万円は、前年の1224億5200万円から45.6%増、金額で558億円増えた。1年でおよそ1.5倍になった計算だ。
 なかでも好調だったのが「ポケモンカードゲーム」、「遊戯王OCG」、「デュエル・マスターズTCG」のトップ3タイトルである。「ポケモン」、「遊戯王」は世界的にも人気が高く、昨年度はレアカードの高額取引もTCGへの関心を高めた。
 玩具協会は「ポケモンカードゲーム」は大変な人気で、品薄状態が続いているとする。また人気タイトルはいずれのブランドも発売開始から20年以上続いており、キャラクターやゲームが世代を超えるようになったことで購買層を広げている。

 このほかデジタルやロボットなどの「ハイテク系トレンドトイ」が40.3%増(907億6000万円)、のりもの玩具が12.2%増(481億5800万円)、ぬいぐるみ6.3%増(279億7800万円)と、成長セクターになった。のりもの玩具は「トミカ」「プラレール、ぬいぐるみでは、「スーパーマリオ」「ポケットモンスター」「ミッフィー」「スヌーピー」が主力となっている。
 さらに細かい区分では「ガンプラ」の売上の伸びが大きかったプラモデルの伸びが大きい。フィギュアでは「鬼滅の刃」「呪術廻戦」「東京リベンジャーズ」が市場を拡大し、新規メーカーの参入も目立った。

 一方で「ジクソーパズル」は151億1900万円で14.2%減、ゲームは179億4100万円で6.7%減。両分野とも前年はコロナ禍での巣ごもり需要を背景に成長していたが、その反動がでたかたちである。
 2021年度の好調を受け、玩具業界は2022年も夏休み商戦、クリスマス商戦に積極的に対応するとしている。

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