平尾隆之が監督する新作アニメの制作始動が、このほど発表された。作品のタイトルやフォーマット、リリース時期は公表せず、プロジェクコードの「WASTED CHEF」だけが明らかになった。
テーマやストーリー、世界観も現時点では言及されないが、「CHEF」=料理ものである可能性を暗示する。また本作は原作からアニメのために開発するオリジナル作品となる。挑戦的なプロジェクトだ。
監督の平尾隆之のほか、キャラクターデザインに足立慎吾、音楽に松隈ケンタが参加。実力派の名前が並ぶ。さらにアニメーション制作がCLAPであることが決定している。いずれも2021年3月に公開された『映画大好きポンポさん』のスタッフで、話題作の面々が再結集したかたちだ。
平尾隆之は『劇場版 空の境界 第五章 矛盾螺旋』や『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』などのヒット作・話題作を手がけてきた実力派の演出、監督だ。なかでも映画制作を舞台に個性豊かなキャラクターが登場する『映画大好きポンポさん』は、米国アニー賞最優秀長編賞インディ部門にノミネートされたことで話題を呼んだ。映像・作品づくりのこだわりで知られるだけに、オリジナルとなる新作でどのような映像が飛び出すかが期待される。
アニメーション制作のCLAPも注目だ。『この世界の片隅に』のプロデューサーを務めた松尾亮一郎が2016年に設立したばかりのスタジオであるが、『映画大好きポンポさん』のほか2022年には田口智久監督で映画『夏へのトンネル、さよならの出口』も制作している。本作は今年のアヌシー国際アニメーション映画祭の長編部門のコンペティション作品にも選ばれている。こちらもこだわりのある作品企画・制作が特徴だ。
タイトルやリリース時期が未公表ななかでの制作発表も、通例とはやや異なるうやりかただ。監督のブランドを押しだし、情報を少しずつ明らかにするなかで、ファンのコミュニケーションを盛り上げる戦略もありそうだ。
平尾隆之監督 「タイトル未定」
Project Code: WASTED CHEF 制作進行中
監督: 平尾隆之
キャラクターデザイン: 足立慎吾
音楽: 松隈ケンタ
アニメーション制作: CLAP