日本向け最大の海賊版マンガリーチサイトが閉鎖、クラウドフレアに開示請求で

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 日本向けのマンガなど出版物の海賊版リーチサイトで最大のアクセスを集めていた「13DL」(13dl.to)が、この5月に閉鎖された。日本コンテンツの海外展開支援や違法コンテンツ対策のCODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)が明らかにした。
 13DLは、サイバーロッカーと呼ばれるオンライン上のデータ保管(オンラインストレージ)サービスに違法にアップロードされたマンガなどへのリンクを大量に掲載していた。海賊版コンテンツへ誘導をする仕組みを持ったサイトだ。
 しかしCODAによれば、サイバーロッカーへの違法アップロードも13DL自体が行っていたという。またサイバーロッカーのユーザーは、作品をダウンロードするために有料のプレミアム会員になる必要がある。13DLはサイバーロッカーから報酬を得ることで違法収入を得ていたとみられる悪質性が高い。

 サイト閉鎖のきっかけは、CODAによる13DLへの調査・活動によるものだ。これは出版5社海賊版対策会議(KADOKAWA、講談社、集英社、小学館、スクウェア・エニックス)など出版社からの要請に基づいて実施されている。
 2023年5月3日にCODAは、13DLとサイバーロッカーが利用するクラウドサービス業者クラウドフレア(Cloudflare)に対し、作品侵害をしているとして削除要請を送付していた。さらに5月10日には米国裁判所に発信者情報開示を申し立て、5月12日にはこれが受け入れられて開示命令がだされた。
 これを受けて、13DLは5月15日ごろにサイトでのリンクの掲載をストップした。同サイトには「13DL is closed, 今までありがとうございました」との表示がされている。
 クラウドフレアは6月にも13DLとサイバーロッカーの契約者に関する情報を開示する見通しだ。CODAは今後は該当のサイバーロッカーの運営拠点とみられる北欧にて、現地の弁護士事務所を通じて運営者の特定を目指す。

 違法にアップロードされた日本マンガなどへ誘導する海賊版リーチサイトは、2017年に当時最大手であった「はるか夢の址」の摘発・閉鎖以降も続いている。13DLは、その中でも最大規模であった。今回のケースは、いまだ深刻なネット上の海賊版マンガ・出版物対策の大きな成果となった。

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