「劇場版 ソードアート・オンライン」が週末興行1位スタート アニプレックス配給で過去最高の出足

劇場版 ソードアート・オンライン

 原作者・川原礫が自ら新作ストーリーを書き下ろした『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』が猛烈なスタートを切った。2月18日、19日の公開初週末の2日間の興行収入が4億2576万円にも達した。動員数は30万8376人と、30万人を超えた。いずれも週末興行ランキング1位だ。
 配給はアニメ会社のアニプレックスが担当し、公開劇場数は151館と中規模であった。しかし、公開から2週目の『相棒-劇場版IV-』や『サバイバルファミリー』などの大規模公開作を大きく上回った。映画館あたりの売上高から算出する館アベレージでは281万9261円と他の作品を圧倒する数字を叩き出した。

 近年、アニメ映画の配給に積極的に乗り出しているアニプレックスだが、初週末興収の数字は同社がこれまで配給した作品を大幅に上回り、歴代1位にあたる。それだけでなく、アニプレックスが製作出資した劇場アニメのヒット作、2013年10月公開の『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語』の4億円も上回った。
 週末興収が高い数字となったことから、最終興収はヒットの目安とされる10億円を超え、さらにそのうえの20億円よりさらに先を視野に入れる。3月10日からは、映画ファンから人気も高く、チケットの単価も高い4DX/MX4D上映が全国66館で予定されている。記録的な大ヒットになりそうだ。 

 『ソードアート・オンライン』は、2009年から刊行を開始した川原礫による人気小説。累計発行部数は日本国内だけで1250万部、さらに海外でも650万部にもなる。2012年にテレビアニメ化され、2013年末のテレビスペシャル、さらに2014年の第2期制作とロングランでファンからの支持を得る。
 人気の秘密は、アクションやロマンス、成長、友情をオーソドックスに描きつつ、現代性を取り入れることで観るものを共感させることだ。日本だけでなく、世界でも高い人気を誇るのも特長だ。2月18日には日本公開と合せて、早速、ドイツプレミアも実施された。今後は、全世界1400館以上での公開が予定されている。
 劇場アニメという大きなイベントを打ち上げることで、シリーズの人気はさらに拡大しそうだ。劇場映画後の展開が早くも期待される。

 そして劇場アニメ事業に力をいれるアニプレックスにとっても、本作は転換点になりそうだ。新興の配給会社であっても、大手配給会社に伍してビジネスが出来ることを示した。6月17日にはもう1作品、人気アニメの映画化『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』が、アニプレックス配給で公開する。『劇場版 ソードアート・オンライン』のヒットをこちらにつなげたいところだ。

『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』
http://sao-movie.net/

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