日本テレビアニメ事業は37億円、グループ会社タツノコは増収増益

ファイナンス決算

 日本テレビホールディングス(日本テレビHD)は2023年5月16日、23年3月期通期連結決算を発表した。
 売上高はイベント・企画運営のムラヤマをグループ会社としてことから4139億7900万円(1.9%増)と前期並みを維持したが、利益面では地上波広告が弱く減益となった。営業利益は465億9300万円(20.6%減)、経常利益は517億7500万円(20.1%減)、当期純利益は340億8100万円(28.1%減)だ。

 昨今は放送局が、アニメ事業部門の売上げを個別に公表する傾向が強まっている。市場が継続的に拡大していることからアニメ事業に力を入れているためだ。
 2023年3月期から日本テレビHDもそのひとつに加わった。決算発表資料では、23年3月期の日本テレビ放送網のアニメ事業単独の売上げは37億2600万円(3.6%減)、営業利益17億9900万円(4.2%増)だった。『トモダチゲーム』、『シャインポスト』、『魔術師オーフェンはぐれ旅3』、『惑星のさみだれ』が主要タイトル。また『アンパンマン』、『HUNTER×HUNTER』といった旧作の商品化権収入が好調だったとしている。
 アニメ事業の収益開示にあたっては、これまでは海外番組販売に組み込んでいた海外向けのアニメ番組販売をアニメ事業に組映している。海外向けのコンテンツセールス全体の売上は50億円弱で、このうちアニメは20億円弱程度を占めている。

 売上としてはテレビ東京などの他局のアニメ事業に較べて小さく見えるが、日本テレビではこのほか『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』や『転生したらスライムだった件』などの劇場アニメ製作を映画事業に、『となりのトトロ』のロンドンでの舞台興行をイベント事業にするなど関連事業が散らばっている。
 2024年3月期も引き続きアニメ関連事業の拡大を目指す。主なアニメ作品は、映画事業ではすでに大ヒットになっている『名探偵コナン 黒鉄の魚影』、『それいけ!アンパンマン ロボリィとぽかぽかプレゼント』、アニメ事業では『EDENS ZERO』、『Helck』、『自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う』などだ。

 またグループにもアニメ関連会社を複数抱えている。ひとつはアニメーション制作のタツノコプロで、23年3月期の売上高は25億3600万円(42.1%増)、営業利益5000万円(65.3%増)、当期純利益3600万円(87.9%増)と大幅な増収増益となった。
 またアンパンマンミュージアムの運営をするACMはコロナ禍をくぐり抜けて、業績が急回復している。売上高は43億7200万円と前年比54.6%増、営業利益8億7900万円、当期純利益11億1600万円と黒字転換に成功した。

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