朝日放送の決算、アニメ関連ではSILVER LINKとDLEが通期赤字に

ファイナンス決算

 在阪大手局の朝日放送グループホールディングスは、2023年5月12日に23年3月期通期連結決算を発表した。連結売上高は870億2800万円(2.3%増)と、ほぼ前年並み。一方利益面では、営業利益が25億9400万円(38.3%減)、経常利益が26億6100万円(44.5%減)、当期純利益は13億5400万円と下げ幅が大きかった。
 コンテンツ事業でコンテンツ開発費用など売上げ原価が増加しているほか、販売費や一般管理費も増加したことが影響した。また固定資産の減損損失、投資有価証券の評価損を計上したことも響いた。

 朝日放送グループは、近年、アニメを初めとするコンテンツ関連への積極進出が続いている。それを反映してコンテンツ事業売上高は173億8700万円と前年比で14.6%増と大きく伸びた。
 中期戦略でもコンテンツは重視されており、22年3月期から26年3月期までの4年間で100億円の上積みが目指されている。なかでもアニメは大幅な伸びが期待される分野だ。

 コンテンツ事業全体の売上は186億円で前年比7.0%増だ。このうち朝日放送テレビのコンテンツ事業部門66億9400万円、このほか複数のグループ会社から構成される。
 主要グループ会社は5社である。売上が最も大きいのはイベント事業のマッシュの25億2200万円(21%増)、営業利益は1億5900万円。
 アニメの企画開発を手がけるABCアニメーションは22億1700万円(20.5%増)、ライセンス管理のABCフロンティアは16億8100万円(7.2%増)だった。ただし両社とも営業利益は前年比マイナスだ。 
 アニメーション制作のSILVER LINKの売上は16億円で26%減、営業損失2億3700万円と厳しい決算だった。DLEも売上は23.1%増の20億2000万円と伸びたが、営業損失3億4400万円と黒字に至らなかった。
 コンテンツ事業は全般に現在は投資先行のフェーズともみられる。まず規模の拡大を狙い、その後の収益化との道筋を考えると分かりやすい。

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