日本テレビHD第2Q、アニメ事業は売上高83%増、制作増に海外好調

ファイナンス決算

 日本テレビホールディングスのアニメ関連事業が急伸している。2023年11月2日に発表された同社の2024年3月期第2四半期決算は連結業績で減収減益であったが、アニメ事業に限ると大幅な増収増益となった。
 日本テレビ放送網のアニメ事業の売上高は、34億8500万円と前年同期比で83.2%増の高い伸びとなった。利益面でも営業利益が15億9100万円と65.5%増だった。
 好調の理由は、前年に比べて新作本数が増加したこと、さらに配信や海外向けのセールスが大きく伸びた。海外向けのアニメセールスは、第2四半期での比較で前年同期に比べて売上が倍以上になっている。

 アニメ事業の成長は、戦略的な投資、事業展開の結果でもある。番組制作の増強は、日本テレビにおける放送枠からも窺える。
 アニメ放送はこれまで讀賣テレビをキー局にした全国ネット1時間枠(2番組)があったが、日本テレビがキー局になる全国ネット枠「フラアニ」を金曜日23時から加えた。この秋からスタートした最初の番組である『葬送のフリーレン』は好調な出足だ。
 さらに関東ローカル枠の「AnichU」、『薬屋のひとりごと』が人気の土曜日24時55分からのローカル枠、同じくローカル枠である『それいけ!アンパンマン』など変化に富んだ放送枠を設ける。

 また今期の大きなトピックは、スタジオジブリの連結子会社化である。宮崎駿や高畑勲などの監督作品で知られる世界的なスタジオを10月からグループに加えた。今後は、スタジオジブリのアニメーション制作や美術館・テーマパークの企画・運営をサポートする一方で、そのブランドを活用した新しい展開も可能になる。
 日本テレビは英国・ロンドンで好評を得て大ヒットになった舞台版『となりのトトロ』も手がけている。こうした取り組みは、今後活発化するに違いない。業績への影響は24年3月期第3四半期以降になる。

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