日本テレビ第1Q、アニメ事業とタツノコプロは増収増益

ファイナンス決算

 日本テレビホールディングスは2022年7月29日、23年3月期第1四半期の決算発表をした。連結売上高は1004億5300万円と前年同期比で2.7%の微増。営業利益は117億2700万円(12.5%減)、経常利益は125億700万円(21.8%減)、四半期純利益は80億1600万円と増収減益となった。
 地上波テレビ広告の減少が厳しく、それが利益面でも響いた。しかし積極的に推進する多角化事業は、コンテンツ部門を中心に成長が続いている。

 アニメ事業も、そのひとつである。第1四半期3ヵ月間(22年4月~6月)のアニメ事業の売上高は9億800万円(7.4%増)、営業利益は4億4500万円(10.4%増)と増収増益であった。『HUNTER×HUNTER』が好調だったほか、配信、海外、商品化などのビジネスを展開した。
 映画事業も増収増益。売上高9億8600万円(13.9%増)、営業利益6億6000万円(64.1%増)で、主要作品は『名探偵コネン ハロウィンの花嫁』、『アンパンマン』といったアニメ作品もあり、このほか『極主夫道 ザ・シネマ』、『メタモルフォーゼの縁側』などである。

 グループ会社ではタツノコプロの動きが大きかった。売上高10億5800万円(198.4%増)、営業利益1億2900万円、経常利益1億3200万円、当期純利益8600万円。利益が大きく伸びた。
 前年同期に赤字だったアンパンマンミュージアムを運営するACMは、コロナ禍対応が進んだことで、黒字転換に成功した。売上高10億1200万円(102.7%増)、営業利益1億3400万円、経常利益1億4400万円、当期純利益1億3900万円となる。

 動画配信関連の拡大も特徴になっている。民放公式テレビポータル「TVer」の成長が続いており、デジタル広告収入が伸びている。売上高9億7200万円は前年比で24.9%増になる。
 さらにHulu(HJ ホールディングス)はすでに主要事業として経営の柱になりつつある。売上高は第1四半期だけで81億5400万円(1.9%増)だ。ただし収益面では営業利益1億2800万円(56.8%減)、経常利益1億800万円(64.3%減)、当期純利益1億700万円(63.8%減)と厳しかった。独占配信タイトルなど積極的なコンテンツ投資が影響していそうだ。

 第2四半期以降、アニメ関連の主要なライナンップもすでに明らかになっている。テレビアニメシリーズは7月スタートの『シャインポスト』、アニメとゲーム、小説との連動を狙う。
 劇映画も11月25日公開の『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』、12月23日公開の原恵一監督の『かがみの孤独』がある。対照的な作品だけに、興行の行方も気になるところだ。

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