日本SF作家クラブは2023年2月19日に、第43回日本SF大賞を発表した。大賞は2年ぶりに2作品となり、ひとつは荒巻義雄氏の『SFする思考 荒巻義雄評論集成』(小鳥遊書房)、もうひとつは小田雅久仁の『残月記』(双葉社)が選ばれた。日本SF大賞はメディアを超えて、最も優れたSF分野の業績を選び出して毎年顕彰している。
『SFする思考 荒巻義雄評論集成』は小説家・評論家として長年活動してきた荒巻義雄の思考を一望する評論集で、SF理論や解説、作家論などひとつにまとめたものだ。荒巻はこれまでに2014年、2017年の最終候補作となったことがあるが、大賞受賞は初。89歳の集大成というべき仕事で栄誉に輝いた。
『残月記』は小田雅久仁の9年ぶりの新作。月をテーマにした幻想的な3つのストーリーから構成される。ロングセラーとなる話題作だ。
また日本SF作家クラブは、2021年から2022年に逝去したSF分野の3人の功労者である鹿野司氏(サイエンスライター)、津原泰水氏(小説家)、八杉将司氏(小説家)を功績賞として顕彰する。
今年の贈賞式 2023年4月22日、代官山 蔦屋書店にて開催される「SFカーニバル」内で実施される。「SFカーニバル」はSFはもちろん、SFを知らない人にもSFの楽しさを届けるイベントとして2022年に第1回が開催されている。特設コーナーの設置やトークイベント、サイン会などが行われ、日本SF大賞贈賞式もそのひとつだった。
2023年も4月22日と23日に開催を予定している。贈賞式の様子は、日本SF作家クラブ公式YouTubeでもオンライン配信予定する。多くの人がその様子を体験できる。
日本SF作家クラブ https://sfwj.jp/
SFカーニバル https://store.tsite.jp/daikanyama/sf-carnival2023/