日本コンテンツ海外流通のREMOW、新たにアミューズ、松竹、テレ朝など4社から資金調達

REMOW

 日本コンテンツの海外向け流通ビジネスを掲げるREMOW株式会社は、2022年11月18日に新たな資金調達を発表した。調達金額は2億円で、大手芸能事務所のアミューズ、映画会社の松竹、放送事業のテレビ朝日ホールディングス、さらにSkybound Japanの四社が出資する。Skybound Japanは米国ロサンゼルスに拠点を持つゲーム・コミック・映像の配信プラットフォーム運営企業の日本法人だ。出資企業の多彩さも注目される。
 REMOWは今年5月には9社から12億8000万円、9月には5社から2億3000万円を調達した。今回は今年に入って3度目の資金調達発表になる。これまでの出資会社は18社、集英社やテレビ東京、東映、東映アニメーション、小学館集英社プロダクション、ディー・エヌ・エー、フジ・メディア・ホールディングス、ADKエモーションズなど大手エンタメ関連企業が多く並ぶのが特徴だ。資本金は20億円を超える。

 積極的な出資会社集めの一方で、REMOWの具体的な事業は現在まで明らかにされていない。公式サイトでは「チャンネル事業」、「ディストリビューション事業(日本作品の世界の放送・配信事業者、配信プラットフォームへの販売)」、「プロダクション事業(日本発信のコンテンツ企画制作、グローバルエンタテインメント企業と共同制作)」を挙げているが、こちらも具体的な作品や事業紹介はされていない。現在は水面下で進行する段階なのかもしれない。
 
 それでも今後のビジネスの方向性は、いくつかの情報から読み取れる。ひとつは公式サイトのVISIONに掲げている「そもそも日本の作品が視聴できる映像プラットフォームサービスは限定的であり、全世界の映像エンタテインメント利用者の多くは正規サービスではなく海賊版での視聴をしている実態があります~(中略)~その実現を目指すのが、「REMOW=日本と世界を繋げる新しいメディア」です」といった言葉だ。
 また採用欄では「マーケティング(国内外)」を掲載するが、その職務の筆頭に「自社配信サービスの戦略立案及び施策実行」がある。REMOWの今後の主要事業に日本映像コンテンツのグローバル配信プラットフォームの構築があると見て間違いないだろう。
 そうすると国内の大手エンタメ企業が並ぶ株主構成にも大きな意味が見えてくる。REMOWの今後の動きは、国内外の映像業界関係者から関心を浴びそうだ。

REMOW https://www.remow.com/

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