タカラトミー第1Q、二桁増収 欧米不振も日本・アジアが「ベイブレード」で好調

ファイナンス決算

 玩具大手のタカラトミーが8月8日に、2018年3月期第1四半期の決算を発表した。前年同期は赤字決算であったが、連結売上高が13.9%増348億8700万円に伸びたこともあり、黒字転換となった。
 営業利益は18億3500万円、経常利益は16億9900万円、純利益は12億1800万円だった。利益率の高い国内市場の健闘と、海外市場の利益改善が貢献した。

 全体の好調は、主力の日本市場、それにアジアの伸びが大きい。いずれもタカラトミーが、中核商品として投入している「ベイブレードバースト」が数字を引き上げた。
 日本の売上高は275億2700万円(18%増)、全体の8割を超える。また営業利益は21億200万円(58.3%増)である。「ベイブレードバースト」の好調に加えて、「リカちゃん」、「トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド」も人気だった。「トミカハイパーレスキュー」は4月から放送を開始したテレビアニメが牽引している。また「ベイレードバースト」と「トランスフォーマー」の海外向け輸出も好調だった。

 アジアは売上高135億8200万円(26.1%増)、営業利益は2億2200万円(211.3%増)。韓国、香港、台湾では、テレビアニメの放送が「ベイブレードバースト」の人気につながっている。2017年夏に新作映画が公開されることから「トランスフォーマー」の出荷も増えた。
 さらに「ポケモンGO」の人気から、「ポケモン」関連商品も伸びた。映像やゲームなどのメディアとの連動が好調につながっている。
 「ポケモンGO」効果によるポケモン関連商品の販売増は、アメリカ、欧州、オセアニアでも見られた。しかし、全体としては事業再構築半ばで、いずれも赤字継続となった。
 アメリカは売上高48億4100万円(12.4%減)、営業損失1200万円、欧州は売上高11億9300万円(27.4%減)、営業損失1億1600万円、そしてオセアニアは売上高4億6300万円(0.8%減)、営業損失500万円である。

 第1四半期は好調を維持したが、通期連結の業績予想は変更しない。ほぼ前年並みの連結売上高1700億円、営業利益、経常利益が各80億円、当期純利益55億円を見通す。

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 第2回新潟国際アニメーション映画祭
     今年3月に初開催されて話題を呼んだ新潟国際アニメーション映画祭が、2024年3月に第2回を迎える。…
  2. 「アニメーションの表現」
     2023年10月23日から11月1日まで開催されている第36回東京国際映画祭は、昨年より上映本数、…
  3. 『いきものさん』© 和田淳・ニューディアー/東映アニメーション
     日本を代表するアニメーション作家として、いま“和田淳”を筆頭に挙げる人は多いだろう。2010年に『…
ページ上部へ戻る