デジタルマンガ・小説アプリ「ピッコマ」を運営するカカオジャパンが、事業拡大に向けて資本増強に動いた。カカオジャパンは、2021年5月21日に、Anchor Equity Partners (Asia) Limitedから約600億円の資金調達をすると発表した。
Anchor Equity Partnersは韓国系の投資ファンドでアジア圏の成長企業に集中投資する。カカオジャパンは第三者割当で新株を発行し、Anchor Equity Partnersが引き受け先となる。カカオジャパンによれば、新株発行にあたっての同社の企業価値は8000億円超と評価された。国内出版社では株式上場するKADOKAWAの時価総額の約2.8倍になる。カカオジャパンの売上高、利益は非公表だがITを活用したコンテツアプリの成長性、将来性が高く評価された。
カカオジャパンは、韓国でメッセージアプリ「カカオトーク」を運用するカカオの日本法人。日本ではカカオトークよりも、マンガ・小説アプリの「ピッコマ」が知られている。2016年に開始したアプリサービスはダウンロード数累計2700万を超え、国内を代表するマンガアプリとなっている。
急成長の理由はスマートフォンで読みやすいフォーマット、基本無料だがさらに深く、早く読みた時は追加料金が必要となるビジネスの仕組みにある。これまでに異なるマンガビジネスで業界に新風を巻き起こしている。
今後は日本の成功をもとにグローバル展開を目指している。今回の調達資金もグローバル展開を視野に入れたものとしている。さらに事業ポートフォリオ拡充を目指しコンテンツ投資を目指す。コンテンツ業界で600億円規模もの資金調達はあまりなく、ビジネスモデルと共に、その資金力は今後注目を集めそうだ。
カカオジャパン
https://www.kakao.co.jp/