劇場映画『ONE PIECE FILM RED』が、アニメ『ONE PIECE(ワンピース)』史上で大きな記録を打ち立てた。2022年8月6日に全国公開した本作の劇場興行収入が、公開から10日目にあたる8月15日に70億円を突破したからだ。観客動員数もすでに500万人を超えている。
劇場版『ONE PIECE』は2000年の第1作から、これまでの『FILM RED』を含めて15本が作られている。このうおち興行収入の最高は、2012年12月に公開された『ONE PIECE FILM Z』の68億7000万円だった。これを一気に抜きさった。
記録更新は金額の大きさだけでなく、そのスピードも驚異的で注目されている。興行収入は6日、7日の2日間だけで22億5000万円、動員数157万人、公開一週間後に50億円とこれまでの作品を大幅に上回るスピードだからだ。
70億円突破発表後もお盆の最後、そして夏休みの大規模興行が続いている。劇場へ足を向ける観客の勢いは劣れておらず100億円突破、さらにその先が視野に入る。アニメ史にも残る空前のヒットになりそうだ。
これまでに国内で興行収入100億円を超えた劇場アニメは10本しか存在しない。そのうち5本は宮崎駿監督の作品だ。
宮崎作品以外は、2016年『君の名は。』(250億円)、2019年『天気の子』(141億円)、2020年『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(404億円)、2021年『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(102億円)、『劇場版 呪術廻戦 0』(137億円)とここ数年に集中している。今回の『ONE PIECE FILM RED』も含めて、劇場アニメのメガヒット時代の到来を感じさせる。それだけに本作の数字がどのぐらいまで伸びるかが、関心を集めそうだ。
さらに今年が今後映画『THE FIRST SLAM DUNK』や新海誠の最新作『すずめの戸締まり』と大型作品が控える。新型コロナ禍で観客動員数を大きく落とした劇場映画興行は回復基調にあるものの、依然の水準に届いていない。『ONE PIECE FILM RED』のヒットで、こうした作品への興味もつながって、市場が回復することが期待される。
『ONE PIECE』は1997年から尾田栄一郎が「週刊少年ジャンプ」で連載する人気マンガ。単行本の全世界累計発行部数は5億部を超え、日本だけでなく海外でも人気が高い。1999年にアニメ化されテレビ放送が開始した。
『FILM RED』では原作者である尾田栄一郎が総合プロデューサーとなり、指揮を執った。さらに監督には「コードギアス」シリーズを初め多くのヒット作を持つ谷口悟朗など、強力な制作布陣となった。