
映画会社大手の東映が、アニメビジネスの強化に乗り出す。2025年4月1日付で、これまで映画企画部に属していた「映画企画部アニメ開発室」を「IP・アニメ開発部」と組織改編し、部に昇格させる。アニメをより自立した部署とすることで、同事業への積極的な取り組みを明確にした。昨今のアニメーション需要を受け、アニメーション戦略をさらに強化するためとしている。
これにより映画本部 映画事業部門は、映画編成部、映画企画部、IP・アニメ開発部、映画営業部、映画興行部、映画宣伝部と西日本支社の6部1社体制となる。
東映は子会社に東映アニメーションを抱えて、アニメに強い映画会社とされている。一方でそうした作品の多くは東映アニメーションが直接製作・出資・制作をしており、東映は映画配給や一部ビデオソフトの販売などに役割が限られている。
そこで映画会社の立場として、東映アニメーションとも異なったアニメ企画・製作が可能という判断があったと考えられる。今回のIP・アニメ開発部の前身となる「アニメ開発室」は、2022年に設けられたばかりだ。2022年にはテレコム・アニメーションフィルム制作の『ブルーサーマル』に製作出資しているが、まだ作品は少なく、今後の事業の進捗が期待される。
また4月1日にはもうひとつ映像本部に新たに国際事業部門を設けたのも大きな動きだ。映像本部は、映画事業部門、撮影所事業部門、ドラマ事業部門、コンテンツ事業部門の4部門体制から国際事業部門を加えた5部門体制になる。
国際事業部門は、コンテンツ事業部門にあった国際営業部を分離・昇格させたものだ。事業部門のしたには国際営業部、国際企画戦略部、国際管理室が置かれ、国際企画戦略部にはさらに企画室と戦略室が設けられる。新しく大きな事業部門になるが、東映が今後、海外事業、海外市場を重視していく方向性も示していそうだ。