東映が映画興行のティ・ジョイを完全子会社化

ファイナンス決算

 映画大手の東映が、グループで映画興行・シネマコンプレックス(シネコン)運営事業の連結子会社ティ・ジョイを完全子会社化する。2025年6月17日の取締役会で決議した。
ティ・ジョイ株式1 株に対して東映の普通株式 47.2株を交付する株式交換を用いる。ティ・ジョイは非上場企業で東映の連結子会社となっているが、大株主は複数が存在する。筆頭株主で65.7%の東映のほか、東映アニメーションが3.3%、東映ビデオが3.3%と東映グループで総計で7割超を占めるだけでなく、同業他社の東急リクリエーションが15.0%、武蔵野興行が3.3%などを保有している。ビジネスの協業を通じた株式関係となっている。株式交換により東映はティ・ジョイの持ち株比率を100%とし、完全子会社化とする。

ティ・ジョイは2000年に東映系のシネマコンプレックス運営を目的に設立された。シネコンは共同経営・共同運営を含めて、現在、日本全国23サイト230スクリーンを持つ。イオンシネマ、TOHOシネマズ、ローソン・ユナイテットシネマズの続く、国内第4位と大手の一角を占める。グループの主力会社として、興行面から事業を支えてきた。現在は、興行のほか、国内の中小規模配給や海外配給事業なども手がけている。
年間売上高は2025年3月期で188億円。グループ全体の1割程度を占める。営業利益は直近で7億4600万円だった。

東映は映画製作配給の同社が映画興行事業のティ・ジョイを完全子会社とすることで、映画事業の機動性と柔軟性を高めるとしている。両社間での連携強化、ノウハウの共有によるシナジーを期待する。また効率的な連結経営体制の構築を目指す。
東映は2024年に銀座の本社ビルの大型再開発を発表したばかり。今年の春には、成長期待の高いアニメ事業の新部署も設立した。組織や資本の再編で、これまで以上の積極経営に転じている。

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. アヌシー国際アニメーション映画祭
    ■参加人数は史上最大、上映会場拡大で対応  2024年6月9日から15日まで、アニメーション分…
  2. 「窓ぎわのトットちゃん」
     世界最大のアニメーション映画祭のアヌシー国際アニメーション映画祭が、2024年も6月9日から15日…
  3. AnimeCanvas
     2024年5月23日、ソニーグループは都内で「ソニーグループ 経営方針説明会」を開催した。代表執行…
ページ上部へ戻る