映像のポストプロダクション事業の大手キュー・テックが、同業のポニーキャニオンエンタープライズと2022年10月1日付で合併する。両社と親会社であるメモリーテックが8月12日に発表した。
合併後の商号は「株式会社クープ」に変更される。映像業界、アニメ業界でお馴染みのキュー・テック、ポニーキャニオンエンタープライズのブランドは消えることになる。
現キュー・テック代表取締役社長の古迫智典氏が新会社の代表取締役社長に就任する。ポニーキャニオンエンタープライズ代表取締役社長の西矢泰之氏は常務取締役を務める。また現在キュー・テックの拠点である赤坂、杉並に加えて、ポニーキャニオンエンタープライズの飯倉オフィスが加わり、主要3拠点で事業運営となる。
キュー・テックは映像録音・編集・製造などの国内大手として知られる。アニメ関連のポストプロダクションを得意とし、本社のある赤坂のほかアニメスタジオも多く集積する東京都杉並区にもオフィスを持つ。メモリーテックの完全子会社となっている。
ポニーキャニオンエンタープライズは、同社も映像編集やオーサリングといった映像パッケージ向けのポストプロダクションサービスが主力だ。さらに字幕・吹替制作や、配信用動画のエンコード・オーサリング、アニメ音響制作も強みになっている。こちらもメモリーテックの完全子会社で、アニメ関連は得意分野だ。
グループ内で事業が重なるふたつの会社があるのは、メモリーテックが2018年にポニーキャニオンエンタープライズをその親会社ポニーキャニオンから買収したためだ。買収後も旧親会社の「ポニーキャニオン」の名前を残していた。
買収の目的は、アニメ事業・映像事業の強化、シナジー効果としていた。今回は合併によりさらに事業融合を推し進めることになる。
メモリーテックはこのほかCGアニメの大手スタジオであるグラフィニカや2Dアニメスタジオのゆめ太カンパニーもグループに持つ。アニメ制作の企業グループを築いている。