大手放送局の日本テレビホールディングスは、2019年11月7日に2019年3月期第2四半期の決算を公表した。売上高は前年同期並みの2095億8400万円(1.3%増)であったが、利益面では二桁のマイナスとなった。
営業利益は171億2500万円(16.6%減)、経常利益は207億5400万円(15.3%減)、当期純利益は136億3900万円(20.5%減)であった。BS4K関連費用の負担増や映像パッケージのバップの評価損の計上などが利益を圧縮した。
売上げでは日本テレビ放送網の放送収入の減少があったものの、放送以外の事業収入やHJホールディングスの会費収入増により増収になった。とりわけ映像配信プラットフォームHuluを運営するHJホールディングスは好調だった。半期の売上高は前年同期比で21.3%増との高い伸びになり、初めて半期で100億円の大台を超えた。会員増による会費収入の増加が大きく貢献した。TVerの売上げも増加した。
HJホールディングスの第2四半期までの売上高は118億4400万円である。売上の伸びに伴って、営業利益は2億1200万円、経常利益は2億600万円、四半期純利益は2億1800万円となった。同社は2014年の事業買収からこれまで先行投資と赤字が続いていたが、いよいよ利益を刈り取る段階までビジネスが成長してきた。今後は人気のバラエティ番組の見逃し配信にさらに力を入れる。2020年1月からオリジナルドラマ「ブラを捨て旅に出よう〜水原希子の世界一周ひとり旅〜」の独占配信をスタート、映画とテレビ、配信を連動させた『ブラック校則』を展開するなど独自コンテンツへの投資も積極的だ。
一方、映像パッケージのバップは、特別損失を計上したことから赤字に転落した。売上高は62億3600万円と28.3%増加したものの、営業損失が7億6100万円、経常損失が6億4100万円、当期純損失が6億4200万円である。
アニメ関連では、アニメ製作のタツノコプロの決算が公開されている。売上高は前年同期並みの8億3700万円(2.2%増)だった。しかし営業損失が2100万円、経常損失1400万円、四半期純損失は900万円とこちらも赤字に転落した。
アンパンマンミュージアムを運営するACMは減収赤字であった。売上高は16億3000万円(7.7%減)、営業損失は1億7400万円、経常損失と当期純損失がそれぞれ1億5700万円だった。主力の横浜のミュージアムが移転のため、一時期休業になったことが響いたとみられる。逆に7月7日に規模を拡大してオープンしたことで、第3四半期、第4四半期の売上の伸びが期待出来そうだ。
日本テレビは下半期に、映画事業で2本のアニメ大型タイトルを投入する。2019年12月6日公開の『ルパン三世 THE FIRST』はシリーズの初のフルCGアニメとなる。日本テレビは共同幹事を務める。
12月20日公開の『僕のヒーローアカデミア ヒーローズライジング』はシリーズ2作目。前作が大きなヒットになっただけに、公開時期を変えての2作目にも大きな期待がかかりそうだ。両作品とも配給は東宝が担当する。