ソニー・ピクチャーズ、アニプレックス傘下のふたつのグローバルなアニメ配信サービスがひとつのサービスに統合されることになった。米国に拠点を持つ日本アニメ事業の大手ファニメーションは自社の定額課金見放題サービス(SVOD)をクランチロールと統合すると発表した。今後、クランチロールの月額料金で、両社のサービスを利用することが可能になる。
クランチロール側でも、新たに50以上、1600時間を超えるタイトルが追加される。両社のサービスを利用するファンには配信コストの負担が小さくなることが期待出来る。
またソニーグループでアニメ分野のグローバル事業を統括するファニメーション・グローバル・グループが社名をクランチロールに変更する。ブランドも統合することでユーザーや企業パートナーに分かりやすいビジネスを推進することになる。
ファニメーションは1994年に設立された米国における日本アニメの老舗企業で2017年にソニー・ピクチャーズ・グループに1億4300万ドルで買収された。その後、ソニー・ミュージックグループのアニプレックスも出資するかたちで、ファニメーション・グローバル・グループに再編された。グループ会社にフランスのワカニム、オーストラリアのマッドマン・アニメ、ドイツのペパーミントなどがある。
2021年夏にはファニメーション・グローバルは、日本アニメ配信の世界最大手クランチロールを11億7500万ドルで買収した。グローバルのアニメ事業で他社を圧倒する規模を持つ。
ファニメーションは長年日本アニメのライセンス獲得をし、ビデオソフト発売・販売やキャラクター事業を手がけてきた。近年は独自の配信事業を拡大してきたが、今回はグローバルで規模が勝るクランチロールにファニメーションのサービスを統合する。
社名のクランチロールへの変更はサプライズだが、同社に対する買収金額からもクランチロールの事業規模がファニメーションを大きく上回っているとみられる。世界的にはより知られたブランドを活用する狙いがありそうだ。