在阪大手の放送局・朝日放送グループホールディングス(朝日放送HD)の業績が好調だ。2022年2月7日に発表された22年3月期第3四半期の決算は増収増益で、特に利益の伸びが大きかった。
連結売上高は637億3200万円(12.0%増)、営業利益が34億8700万円(378.1%増)、経常利益が40億8400万円(259%増)、当期純利益は黒字転換して28億1500万円だった。業績好調に合わせて、通期業績予想も利益面を中心に大きく引き上げている。朝日放送HDによれば業績の好調は、テレビスポット広告収入の増加など放送事業の実績や費用削減効果が現れたためだ。
一方で朝日放送HDは、近年は放送外収入、とりわけIP・コンテンツ事業への積極投資で注目を浴びている。またアニメ関係者には「プリキュア」シリーズの製作などでもお馴染みだ。今回の決算発表では、こうしたアニメ関連のグループ企業の業績も公開され、その成長ぶりが垣間見える。
なかでも今回初めて業績が明らかになったのがアニメーション制作のSILVER LINK.である。同社は2020年10月に朝日放送HDが完全子会社としている。この売上高が第3四半期まで(21年4月~12月:9ヵ月間)で18億6800万円、営業利益が9800万円、通期売上高では20億円を大きく超えてきそうだ。決算資料では具体的な作品は言及されていないが、期間中は『魔法科高校の優等生』や『劇場版Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ Licht 名前の無い少女』などのタイトルがあった。
またアニメーション企画・製作のABCアニメーションの売上高は14億400万円、営業利益は3億1100万円。21年4月にABCアニメーションから分割、グループ会社のライツ・海外番組販売事業を統括して新設されたABCフロンティアの売上高は11億4700万円、営業利益は1億7900万ねだった。
さらにDLE、イベント事業のマッシュなども加えた朝日放送HD全体のコンテンツ事業は、116億8800万円の売上になる。通期売上高は152億円を見通し、こちらも前回発表の131億円から引き上げられた。