第44回藤本賞に「ラストマイル」、特別賞は「ルックバック」

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 映画製作の優れた業績を顕彰する藤本賞の第44回の各賞が、2025年2月17日に一般社団法人 映画演劇文化協会より発表された。2024年1月1日から12月31日までの一年間を選考期間とした。
 藤本賞は「『ラストマイル』の製作に対し」として、新井順子プロデューサー、脚本の野木亜紀子氏、塚原あゆ子監督の3名。藤本賞特別賞はアニメーション映画『ルックバック』の製作で、監督・製作・脚本他として押山清高氏、企画・プロデュースでエイベックス・ピクチャーズの大山良氏の2名。また藤本賞奨励賞は『侍タイムスリッパ―』で、安田淳一氏の監督・脚本・撮影他の業績を対象とする。

 藤本賞は映画製作者の功績を顕彰するとして、1981年にスタートした。その生涯で269本も映画製作をした藤本真澄の業績を記念して、名付けられている。製作を対象とするため、監督や脚本といった実制作者だけでなく、広くプロデューサーが受賞者となるのが特徴だ。

 藤本賞は『ラストマイル』は2024年8月23日に公開、商品物流センターを舞台にしたサスペンス映画。興行収入で60億円近いヒットとなった。
 奨励賞『侍タイムスリッパ―』は安田淳一氏が監督・脚本・撮影・編集までこなす自主映画ながら、口コミで人気となり大ヒットになった。

 藤本賞特別賞の『ルックバック』も異例の興行で話題を呼んだ作品だ。劇場映画としては異例の長さ58分、鑑賞料金は1700円均一とした。少ないスタッフで熱度の高い映像づくりを実現し、国内外で話題を呼んでいる。
 アニメ分野では、近年受賞が相次いでいる。2020年以降は、毎年、アニメ映画がなんらかの賞を獲得している。アニメ作品の特別賞はこれまで、『この世界の片隅に』、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』や『ONE PIECE FILM RED』などが選ばれている。映画興行におけるアニメの存在感の高まり反映したと言えそうだ。

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