かつては東京集中と言われてきたアニメスタジオだが、地方立地と拡散が進んでいる。2021年7月に、高知県高知市に新たなアニメスタジオが設立され注目されている。立ち上げられたのは株式会社スタジオエイトカラーズで、デジタルの活用を視野にいれた手描きのアニメスタジオだ。
高知県で手描きのアニメスタジオは初となり、四国全域でも2社目の貴重な存在になる。デジタル技術を活用することで、高知のクリエイターが地元で活躍できる環境づくりをする。また将来的には県内に制作拠点を拡大し、高知からのオリジナルコンテンツ発信を目指す。
10月12日には、高知県庁で設立の記者会見も実施された。高知県はIT・コンテンツ関連産業の集積を重要な取り組みのひとつとしてきた。クリエイターの就職の場として、県からの期待も大きそうだ。
スタジオエイトカラーズの代表取締役を務めるのは、宇田英男氏。アニメ制作会社の管理部門を経験した後、2011年に『ペンギン・ハイウェイ』や『泣きたい私は猫をかぶる』といったヒット作を制作したスタジオコロリドを創業した人物だ。2020年にはクリエイターが活躍する新しい仕組みに挑戦する株式会社ノーヴォも設立している。スタジオエイトカラーズも、クリエイターの活躍と地方からのコンテンツ創造を組み合わせた新たな挑戦と言える。
さらに取締役にはデジタルアニメスタジオのグラフィニカで社長を務めた伊藤暢啓氏も参画する。デジタルアニメの経験が豊富なだけに、今後の展開も期待出来る。
スタジオエイトカラーズの社名は高知県県鳥ヤイロチョウに由来するという。ヤイロチョウのように人を魅了する作品を作り、同時に色彩豊かな多様な人材が集まる場を期待する。
スタジオエイトカラーズでは早速人材確保にも乗り出す。11月にはデジタルアニメーターに向けた採用説明会も開催する。募集は社員のほか、在宅勤務の副業アニメーターも対象にしている。
スタジオエイトカラーズ
https://eightcolors.jp/