地元発の長編アニメ企画も 高知県「土佐の國アニメーション構想」


 高知県では官民学が協力してアニメの文化と産業を活性化させるプロジェクトを進めている。2022年1月に「高知アニメクリエイター聖地プロジェクト」を発表し一躍注目を浴びたが、そこから1年弱で様々な事業が着々と進んでいるようだ。
 2022年11月9日、高知市内のホテルにて、プロジェクトの中間報告をする「アニ魂サミット」が開催された。この場で地元経済界、メディア、学術関係者による「高知県アニメプロジェクト推進会議」の設立と出版社やアニメほかカルチャー関係者の「高知アニメクリエイター聖地プロジェクト」の特別顧問就任などが明らかにされた。

 プロジェクトは「土佐の國アニメーション構想」としてまとめあげられている。今回はその概要も発表された。プロジェクトは「高知アニメクリエイター祭」、「高知クリエイターアワード」、「アニメ会議」、「高知デジタルクリエイティブラボ」、「アニメクリエイタープレミア計画」の6つの開発目標を掲げている。「高知アニメクリエイター祭」は2024年1月の開催を目指すイベントでアワードや交流企画などで構成される。アニメ会議は情報発信、クリエイティブラボなど。クリエイティブラボはクリエイターやクリエイティブのハブ機能が想定されている。
 地域活性化・集客イベントと人材開発・集積のふたつが連動しているところが、今回の構想の特徴だ。クリエイターを中心に掲げて、文化と産業を同時に活性化する点は、とりわけ他の地方プロジェクトとの差別化にもなっている。

 さらに今回は大きな企画が発表された。「土佐の國アニメーション構想」の目玉として高知県発の長編アニメーション制作に挑戦するというものだ。
 作品は『海のまち物語』のタイトルで、高知県須崎市の伝承される神様の話を題材にしたものとなる。アニメーション制作は高知市内に本社を持つスタジオエイトカラーズが中心に担当、若手の福田裕也氏が監督を務める。作品はプロプロダクションに入っており、福田監督による様々なコンセプトアートなども紹介された。

 スタジオエイトカラーズは2021年に、アニメスタジオの経営で経験豊富な宇田英男氏らが中心となって、高知初の手描きアニメの制作スタジオとして設立された。今年から早くも本格的に活動しており、地元同社は高知県からのアニメ制作発信と制作を目指している。設立からまだ1年余りにすぎないが、地元・高知信用金庫のアニメコマーシャルを制作したほか、劇場アニメやテレビアニメの作画受注もするなど順調だ。
 現在は地元高知出身者を中心に十数名のスタッフを抱えるが、来春には30名体制に拡張予定だ。高知県以外からも採用をするとあり、アニメをハブに若手人材の呼び寄せを目指す地元の動きにも貢献する。今後プロジェクトの進展と共に、こうした地元への波及効果もさらに拡大しそうだ。

スタジオエイトカラーズ
https://eightcolors.jp/

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