アニメもゲームもグループ内開発・制作 エイベックス「マブラヴ オルタネイティヴ」放送スタート

マブラヴ オルタネイティヴ

 音楽・映像事業のエイベックス・グループが、アニメとゲームを軸としたプロジェクトで新たな事業展開の一歩を踏み出した。グループが原作権利を保有する「マブラヴ」シリーズの新作テレビアニメシリーズと新作ゲームの企画・開発・制作を全てグループで行う。
 有力コンテンツの関わる事業をグループ内で手がけることで、迅速で戦略的な動きを目指す。さらに収益も最大化する狙いがありそうだ。

 2021年10月6日よりテレビアニメ『マブラヴ オルタネイティヴ』の放送・配信がまずスタートする。企画をエイベックス・ピクチャーズ、アニメーション制作はエイベックス・ピクチャーズとCGアニメスタジオのグラフィニカが共同出資するFLAGSHIP LINEが担当した。
 同じ10月にはPC向けバトルアクションゲーム『Project MIKHAIL』の早期アクセス版がリリースをしている。こちらはエイベックス・ピクチャーズ子会社のaNCHORが企画・制作・販売をする。さらに年末にスマートフォン向けに配信予定の『Project Immortal(仮)』は、 aNCHORがパブリッシャーと開発をする。アニメとゲームの両分野で原作から開発、制作までの流れを統括したビジネスになる。

 エイベックスはかねてよりアニメ事業に積極的であった。2014年にはアニメ部門の戦略事業会社エイベックス・ピクチャーズを設立している。このなかで『おそ松さん』『ユーリ!!! on ICE』『ゾンビランドサガ』といったヒットを生み出した。
 これまでは映像・音楽のパッケージや配信などの流通販売が主な事業であったが、過去数年でより幅広い、収益を最大化する積極的な投資をしてきた。そのひとつが「マブラヴ」シリーズを開発し、原作を持つイクストル(現aNCHOR)の買収である。「マブラヴ」シリーズをスマホアプリゲームにも展開し、自社スタジオでアニメーション制作することで、作品価値を最大化する。DVDやBlu‐rayを発売することからパッケージメーカーと呼ばれてきた業種から、新たなビジネス形態に移行する。アニメビジネス激変の時代の生き残り戦略でもある。

 「マブラヴ」シリーズは2003年に最初のゲームをリリース、国内外で人気が高く数々の続編が作られた。2006年には地球外起源種の敵「BETA」と人類の戦いを描くSFロボット『マブラヴ オルタネイティヴ』が制作され、シリーズの代表作となった。今回はテレビアニメ『マブラヴ オルタネイティヴ』として制作される
 テレビ放送はフジテレビの「+Ultra」他、また製作委員会にも参加するクランチロールが世界200カ国・地域に同時配信。商品化やゲーム展開などでも連携し、グローバル展開する。

マブラヴ ポータルサイト https://muvluv.com/

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. AnimeJapan2024
    ■凝った企業ブースが脱コロナ禍を演出  2024年3月23日から26日まで、東京都内で日本アニ…
  2. 第2回国際アニメーション映画祭
     新潟国際アニメーション映画祭が、2024年3月15日から20日までの6日間、新潟市内各所の会場で開…
  3. クランチロールアワード
     日本アニメ配信プラットフォームで世界最大規模のクランチロールが主催する「クランチロール・アニメアワ…
ページ上部へ戻る