アニメと特撮の文化継承を目的にした非営利団体「アニメ特撮アーカイブ機構(Anime Tokusatsu Archive Centre:ATAC)」が2018年4月27日に公式サイトをオープン、広く情報発信を開始した。サイトに合わせて、Facebook公式ページ、公式Twitterも開設された。団体の活動を様々なかたちで、伝えていく。
アニメ特撮アーカイブ機構は、特定非営利活動法人として2017年5月に設立された。長い年月にわたり国内で制作されたアニメと特撮の文化の記録と保存を目指す。
作品資料のアーカイブ・現況調査、さらに作品に関わってきた人たちへの聞き取りなどを実施する。同時に文化啓発や次世代人材育成も行う。アニメ・特撮文化を専門にする貴重な団体となる。
組織は両分野の資料や記録が散逸することに映画/アニメーション監督の庵野秀明氏らが危機感を持ったことがスタートになっている。2012年に東京都現代美術館で開催された展覧会「館長庵野秀明 特撮博物館」が活動の原点になった。
特撮の歴史と資料を集めた展覧会の実現後も、関連分野の調査を続けてきた。さらに企業・法人・クリエイター・個人より、アニメ・特撮の資料の受託管理も開始。5年を経て、2017年に法人設立に至った。
理事長に庵野秀明氏、理事にアニメ・特撮研究家で明治大学大学院特任教授の氷川竜介氏、映画監督の樋口真嗣氏が就任している。また事務局長を三鷹の森ジブリ美術館学芸員であった三好寛氏が務める。
保存する資料の一部と活動は2016年11月に都内で開催された「株式会社カラー10周年記念展」でも紹介された。しかし5年にわたる活動に較べて、これまでその存在はあまり知られてこなかった。
公式サイトの立ち上げは、団体の活動とアニメ・特撮の文化継承に意義を広く伝えるものになりそうだ。同時にアニメ特撮アーカイブ機構が、今後さらに積極的な活動を目指す意思表明とも取れる。まだまだ不十分とされている国内のアニメ特撮の文化継承、資料保存への活躍が期待される。
特定非営利活動法人 アニメ特撮アーカイブ機構
http://atac.or.jp/