ゲーム大手のスクウェア・エニックス・ホールディングス(スクウェア・エニックスHD)が、2016年11月8日に2017年3月期第2四半期の決算を発表した。
連結売上高は1063億4700万円と前年同期比で大きく伸びたが、新規大型タイトルの償却負担の増加やスマホアプリゲーム、PCブラウザゲームの新規タイトルが不調で利益は減少した。営業利益は111億1500万円(11.7%減)、経常利益は83億7800万円(35.2%減)、当期純利益は54億9500万円(25%減)。
ゲームを中心とするデジタルエンタテインメント事業は、売上高は783億1000万円(30.1%増)、営業利益は121億2600万円(6.1%減)である。「メビウス ファイナルファンタジー」、「星のドラゴンクエスト」、「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス」、「グリムノーツ」などの新規タイトルが収益につながり、またスマホアプリゲーム、PCブラウザゲームの既存タイトルが堅調で売上げにつながった。
第3四半期以降も、『ファイナルファンタジーXV』、『ライズオブザトゥームレイダー』、『ワールドオブファイナルファンタジー』の大型タイトルの発売が相次ぎ、業績への貢献が期待される。
一方、コンテンツ制作の勘定残高が2016年9月末段階で、前年同期比で33%増の472億円に積みあがっている。大型タイトル開発が続いていることも多いが、2014年以降急増している。今後のタイトル発売に合わせて順次償却されるが、開発費負担は利益面で今後も大きな影響を与えそうだ。
マンガを中心とした出版事業は、減収減益である。第2四半期までの売上は46億円(8%減)、営業利益は10億円(1%減)である。電子書籍のライセンス売上は急成長しているが、マンガ単行本の売上減少が影響した。スクウェア・エニックスHDは、メディアミックスの端境期であることも理由としている。
出版事業は2000年代半ばから後半にかけ成長し、2010年3月期には売上は約144億円 に達したが以降は伸び悩んでいる。下半期以降は劇場アニメ公開、ミュージカル化の控える『黒執事』、2017年よりテレビアニメ放送がスタートする『クズの本懐』が鍵となる。
アミューズメント事業は売上212億7500万円(11.9%増)となり、営業利益は20億9300万円(3.9%減)となった。ライツ・プロパティ等事業は堅調だった。売上は30億4400円(18.0%増)、営業利益は10億9500万円(23.5%増)だ。