スクエニ出版部門第3四半期減収減益 電子書籍拡大もマンガ単行本減少

ファイナンス決算

 スクウェア・エニックス・ホールディングスは、2017年2月6日に2017年3月期第3四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比24.4%増と高い伸びとなったが、営業利益は214億7700万円(9.7%減)、経常利益は220億5000万円(8.9%減)と小幅減少だった。当期純利益は170億5500万円(26.0%増)。
 『ファイナルファンタジーXV』や『RISE OF THE TOMB RAIDER』といった大型タイトルの発売や、過去作のデジタル販売が好調だった。また、スマホ向けアプリも増収増益で業績に貢献した。一方で、開発投資の拡大が利益面に影響を与えていると見られる。

 出版事業は、減収減益である。第3四半期までの売上高は72億5700万円(5.4%減)、営業利益は17億2300万円(9.9%減少)となった。ゲームガイドの販売が増加したが、マンガ単行本の売上減少が響いた。今期は作品のメディアミックスが少なく、販売が伸びなかったと見られる。
 第4四半期には、2017年1月に劇場アニメ『黒執事Book of the Atlantic』が公開されている。同1月からはテレビアニメ『クズの本懐』のフジテレビ「ノイタミナ」枠の放送も始まった。こちらに期待がかかりそうだ。
 一方、電子書籍の売上については着実に成長しているとする。今後はデジタルの動向が、さらに重要性を増すことになる。

 しかし、マンガ事業の本格的な回復は、来期以降になるとみられる。2017年に同社の代表作『鋼の錬金術師』が大作実写映画として全国公開される。これが大きなドライブになるだろう。
 またマンガのVRコンテンツを次期の早い段階で商品化したいともする。実現すればこちらも話題を呼ぶに違いない。

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