スクエニHD第1四半期 売上高、営業利益増で好調発信 出版事業は弱含み

ファイナンス決算

ゲーム大手のスクウェア・エニックス・ホールディングスの2017年3月期第1四半期(16年4月~6月)の決算が、8月5日に発表された。スマホ向けゲーム、PCオンラインゲームの好調に支えられ、順調なスタートを切った。デジタルエンタテインメント事業、そしてライツ・プロパティ事業が増収増益となり全体を牽引している。
連結売上高は511億9300万円(21.1%増)、営業利益は89億4900万円(13.1%増)だった。経常利益は64億4600万円(32.5%減)、四半期純利益は53億3600万円(11.1%減)。

ゲームを中心とするデジタルエンタテインメント事業は、売上高375億4100万円(23.9%増)、営業利益94億7200万円(15.6%増)である。既存タイトルに加え、スマホ向けの新規タトルの『メビウス ファイナルンタジー』、『星のドラゴクエスト』、『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィア』、『グリムノーツ』などが収益に寄与している。家庭用ゲーム機向けタイトルでも『ドラゴンクエスト ヒーローズII 双子の王と予言の終り』などがあった。
アミューズメント事業を支えたのは『ガンスリンガー ストラス3』などのアミューズメント機器である。売上高103億5100万円(22.1%増)、営業利益8億3100万円(11.6%減)。
ライセンス・プロパティはキャラクターグッズやサウンドトラックなどが中心となった。売上高14億1800万円(21.8%増)、営業利益5億6000万円(33.2%増)と強含んでいる。

マンガ雑誌・単行本、ゲーム関連書籍を手がける出版事業は厳しかった。電子書籍のラインセス収入は増加したが、単行本の売上が減少したのが響いた。売上高は22億5300万円(16.2%減)、営業利益は5億3000万円(19.4%減)となった。
今後は2017年春期にアニメ化された『田中くんはいつもけだるげ』、夏期に放送中の『はんだくん』による、原作への波及効果が期待される。さらに下期に向かっては、実写化映画化の決まった旧作『鋼の錬金術師』の動向が注目だ。

2017年3月期は連結売上高では、前期の2141億円を上回る2500億円から2700億円のレンジを想定している。また営業利益と経常利益は270億円から330億円のレンジで、こちらも前年を上回る水準を見通す。
第1四半期まででは売上高の進捗率は低いが、第2四半期末に大型タイトルの『ファイナルファンタジー XV』の発売が控えている。本作のタイトルの動向で、業績も大きく左右される。

スクウェア・エニックス・ホールディングス 2017年3月期 第1四半期連結決算
(単位:百万円、%)

売上高前年比営業利益前年比経常利益前年比当期純利益前年比
17年3月期51,19321.18,94913.16,446-32.55,336-11.1
16年3月期42,28212.07,91256.19,54396.55,99976.0

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